2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」

自民支持率20%台2年半

世論獲得策 効果なく


 自民党の支持率(時事通信調査)が二〇〇六年一月に20%台に落ち込んだまま二年半つづいています。過去、田中角栄内閣の一九七三年二月から福田赳夫内閣の七七年十一月まで20%台が続いた時期がありました。今回の深刻さは低支持率を回復できる確かな見通しが立たないところにあります。

選挙基盤に穴

 時事通信社調査によると、自民党支持率が低下している要因としては、従来おおむね支持率40%台で推移してきた六十歳以上の固い自民党支持層が30%台に落ちていることと、農村部の落ち込みが目を引きます。

 政党支持率の上がり下がりは内閣支持率以上に選挙に直接響く、というのが選挙専門家の見方です。

 「内閣支持率が低くても自民党が選挙で勝ち、政権を維持できたのは30%台の自民党支持率があったから。肝心の選挙基盤に穴が開いてきた」(自民党関係者)

 昨年の参院選大敗のあと自民党は政党支持率の底上げにさまざまな広報戦略を繰り出し、世論獲得策をあれやこれや検討してきました。

 党の態勢立て直し策を検討した党改革実行本部(武部勤本部長)は、六月に集約した中間とりまとめで、「従来の自民党支持層からの信頼回復」を重点課題にすえました。年配者、農業・漁業など従来支持が厚かった層を対象に「御用聞き隊」を組織するなどのアイデアが示されました。

 党役員でつくる広報戦略会議は中間報告(五月末)で、「攻めの広報」や首相官邸との連携強化などを提案し、テレビなどの映像メディアについては「彼らの誤った情報にたいしては、そのつどタイムリーな反論をおこなうべき」だと、自民党に不利な報道に介入する構えを示しています。

 総裁直属機関の国家戦略本部には昨年十二月に「民意把握プロジェクトチーム」(松野博一座長)が設置されました。

路線転換なし

 一連の自民党内の検討を通じても小泉―安倍―福田と続く歴代政権の「構造改革」路線による「痛み(貧困拡大と負担増)の政治」が国民の自民党離れを引き起こしている原因であるのは確か。しかし「構造改革」路線の抜本的な転換をはかるつもりのないのが福田政権と自民党です。どんなに党内検討を重ねても、自民党離れを食い止め、上向きに転じる確かな方策は見いだせないようです。


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