2008年7月4日(金)「しんぶん赤旗」

共産党の温暖化対策

「2度以内」の意味


 日本共産党が六月二十五日に発表した見解「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか」は、温暖化を防止するために気温上昇を産業革命前に比べて二度以内に抑えることが決定的に重要だと強調しています。これは、京都議定書が定めた温室効果ガス削減目標を達成するめどもない日本の温暖化対策を前進させる上で、大きな意味をもっています。

破局避けるには

 「見解」は、「気温上昇を二度以内に抑えこむことに全力をそそがなければ、地球環境と人類の生存を脅かす破局の到来は避けられません」と警告。そのためのカギとして、昨年発表された国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)報告に基づき、次の三点を示しています。

 (1)二〇五〇年までに世界の温室効果ガス総排出量を一九九〇年比で半分以下にし、特に先進国は80%以上削減する。

 (2)現在依然として増加している総排出量を一五年までの早い時期に減少に転じさせ、特に先進国は二〇年までに25―40%削減する。

 (3)二十一世紀中に人類が排出する二酸化炭素(CO2)の総量を一兆八千億トン以下に抑える。

 「気温上昇を二度以内に抑える」は、欧州連合(EU)はじめ温暖化防止に先進的に取り組む諸国の合言葉になっています。ブレア前英首相が六月二十七日に東京で発表した温暖化問題の提言「気候問題の行き詰まりの打開」も、その立場からのものです。

 同提言は、「五〇年までに50%削減する点でコンセンサスは拡大しているが、基準年をいつにするかで議論がある」とした上で、「肝心なのは(全世界の)毎年の排出量が五〇年までに二百億トン以下に削減されることだ」と強調します。

 一九九〇年の世界の排出量が三百九十億トン。「二百億トン」は、それをほぼ半減した数字です。気温上昇を二度以内にとどめ、温暖化の影響を許容範囲内に抑えるという目標をまず設定することにより、現在の温暖化交渉の「行き詰まりの打開」を図るべきだとしています。

切迫感ない政府

 日本では、この認識が据わっていません。福田政権に近い研究者らは、この「二度以内」の目標を否定します。

 「福田ビジョン」(政府の温暖化対策)作成に影響を及ぼしたとされる地球環境産業技術研究機構の秋元圭吾氏は、六月三十日に都内で開かれた国際会議で、「現実的な長期削減目標」として、▽全世界でなく先進国が五〇年までに50%削減する▽CO2または温室効果ガスの濃度を五五〇ppmにする―ことを挙げました。

 ところがIPCC報告は、濃度が五五〇ppmになれば、気温上昇は約三度になると想定しています(表参照)。福田政権は「五〇年までのガス半減」は言うものの、それを具体化するために緊急に必要な二〇年までの中期削減目標は明示しません。緊迫感を欠いた態度の背景には、「三度上昇もやむなし」との考え方が強く反映しているようです。

 日本共産党の見解が力説する「気温上昇を二度以内に抑える」との認識に立つことは、今求められる切迫感をもった温暖化防止対策の大前提になります。(坂口明)

表


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