2008年6月30日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

活用ひろがる

ホームページ・ブログ

党地方議員 私の体験


 地方議員のホームページやブログ活用が広がっています。議会活動を知らせたり、地域住民や支持者との交流や相談の窓口になっています。活用している議員に体験を紹介してもらいました。


若者からの相談が増加

東大阪市議 上原 賢作

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(写真)上原賢作・東大阪市議のホームページ

 三月の末のことです。「ホームページのけんちゃんの何でも相談を見てメールさせて頂きました」と体の不調で働けないなどで困っているという三十代の女性Aさんから相談がありました。

 彼女の話では、以前知り合いが共産党に助けられたと言っていたので「共産党 東大阪」で検索して、ホームページにたどりついたとのことです。

 電話とメールで事情を聞いて、生活保護の申請もしようと話をすると同時に、生きる権利や暮らしと政治のことを話すなかで、党の政策に共感してくれました。そこでAさんを四月三日の志位和夫委員長を迎えての大演説会に誘いました。実は、議会日程などもあり、この日に初めてAさんと会ったのですが、「いずれは入って欲しい」と話すと「私、もう入ったつもりでした」と即入党となりました。

 最近は、まったくつながりのなかった若い人からの相談が増えていて、その多くが、ホームページを通じてとなっています。そのなかには、深夜の二時、三時に思いつめて相談メールを送ってきた方もいます。

 会社での非人間的な働かされ方に不満を抱き、安い給料のもと、やむなく借金をして困っているという一人暮らしの男性。DV(配偶者などによる暴力)で逃げてきたのに、元夫が探し当ててきて怖い、毎晩眠れないという方。思い悩んだ末メールしましたという人もいます。

 最初は、匿名で相談される方も多いのですが、それにこたえるなかで、信頼を得て、相手から「赤旗」を購読するとの話があって初めて住所を教えてくれることもあります。

 いま深刻な事態に多くの若者が追い込まれています。しかし、一人で悩み身近に相談相手がいない。そんな若者の相談相手としてホームページが役に立っていると思います。

肩の力ぬき情報は早く

埼玉・加須市議 小坂 徳蔵

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(写真)小坂徳蔵・加須市議のホームページ

 ホームページを開設してまもなく五年目。各方面の人が見ているようで、今では、すっかり市民権を得て定着しています。「加須市議」で検索すれば、私が先頭に出てきます。

 多くの人から、「更新が早いですね」と驚きの声が寄せられます。私が気をつけていることは、情報は素早く発信し、わかりやすく掲載すること。

 たとえば、議会があったとき、その内容は、当日か、遅くとも翌日には記事を掲載します。ですから、議会の開会中は、毎日記事を更新しています。いつもリアルタイムの記事で、内容が新鮮です。市議選で公選法上の規制から一週間更新ができなかったとき、「更新がないので寂しい」というメールが届きました。

 肩の力を抜いて“いつも遊び心で”―これが私のホームページ継続のスタンスです。

 結構、フアンの方がいて、「小坂さんのホームページを開くのが日課です」と言う人。「記事の内容はまったくそのとおり」「写真を見て心がなごむ」「経歴を見て涙が出た」「私も見ています」等々、多くの感想が寄せられます。時には、会合のあいさつで、私のホームページを紹介してくれる人もいます。

 ホームページは、私の分身の役割を担って、私と市民とをつなぐ、双方向の議員活動に欠かせない手段になっています。

見知らぬ人とつながり

長野県議 毛利 栄子

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(写真)毛利栄子長野県議のホームページ

 メカに弱い私が一念発起してパソコンを始め、「ブログ」を書きだしてからちょうど六年。当時は市議会議員の現職でしたが、県議選に挑戦することになり、毎日の活動や私自身を少しでも多くの皆さんにわかってもらえればとそんな気持ちではじめました。

 毎日八十人から百人の皆さんがアクセスしてくださり、もうすぐ二十万件になります。

 過日、松川町議選挙の応援で松井悦子さんの町政報告会にお邪魔させていただいたおり「質問ありますか」と司会者がよびかけると、参加者の一人が挙手をして「県議の毛利さんが来るというので、聞きにきました。ほとんど毎日更新しているブログを楽しみにしています」といってくださりました。町議も私も面識のない方でしたのでびっくりすると同時に思わずうれしくなりました。ネットの世界は見知らぬ人とつながることができます。

 また、脊髄(せきずい)小脳変性症で二十年近く闘病生活を送っていた方が亡くなり、お悔やみにうかがうと奥さんが「うちの人はほとんど何にもできなくなった時にも、毎朝毛利さんのブログで活躍を見るのを張り合いにしていました」というお話をしてくれ、ドッキリしました。

 その人の人生にまで影響を与えていたかと思うと思わず背筋が伸びました。ブログは自分自身を振り返るよい道具にもなっています。


文も写真も手軽に更新

交流の接点、マスコミも取材

 インターネット上で公開されるホームページやブログが普及しています。デジタルカメラとノートパソコンで文章も写真も手軽に発信・更新できるため、議員にとってはつながりのなかった住民との交流の接点になっています。

 住民や支持者は、議員の日々の活動、議会活動、行政情報、地域の問題を知ることができます。

 デジカメを必ず持ち歩き毎日更新する新潟県燕市の長井ゆきお市議は「おそるおそるブログを一年半前から始めました。アクセスする人はまだ多くはありませんが、行政の情報発信など議員活動に欠かせなくなった」と語ります。

 ネット検索で調べることが広がり、議員のホームページは情報の発信源にもなっています。奈良県山添村の奥谷和夫市議は「ホームページを見てごみ問題に困っている人が相談にきたり、学生が卒論を書くので『教えてほしい』と訪ねてくることもあります。観光や市町村合併問題でマスコミの問い合わせ等もたくさんあります」と語ります。


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