2008年6月17日(火)「しんぶん赤旗」

宇宙基本法成立で自民議員ら

軍事利用の一挙加速へ

防衛省との連携など日本経団連で説明


 宇宙の軍事利用に道を開いた宇宙基本法が五月二十一日に国会で成立したのをうけて、自民党推進議員らが宇宙兵器開発などで宇宙航空研究開発機構(JAXA)と防衛省との連携などへ踏み込む方向を日本経団連へ説明していたことが十六日、わかりました。

 日本経団連で説明をしたのは自民党宇宙開発特別委員長の河村建夫元文部科学相。十三日に開かれた日本経団連・宇宙開発利用促進委員会(委員長・谷口一郎三菱電機相談役)主催の「今後の宇宙政策に関する懇談会」で明らかにしたものです。

 席上、河村氏は、宇宙開発利用を国家戦略と位置づける宇宙基本法について自公与党に民主党も加わった議員立法で成立に持ち込んだ意義を強調。そのうえで「軍事目的の宇宙利用」へ向けた今後の方向性と検討課題について言及し、(1)「専守防衛」だからこそ外国に依存しない情報収集能力の保持が必要(2)逼迫(ひっぱく)した財政状況の下で実行に移すための検討(3)従来タブーであったJAXAと防衛省との連携―の三点をあげました。

 これは早期警戒衛星やスパイ衛星の開発・保有やJAXAと防衛省との宇宙兵器の共同開発を視野に入れ、そのため財政上の裏づけ措置を求めていくなど宇宙軍事利用を一挙に加速する考えを示したものです。

 同基本法は日本共産党、社民党だけの反対で成立、八月二十八日施行の運びです。

 自民、公明、民主、国民新四党議員は五日に宇宙基本法フォローアップ議員協議会を設け、「超党派」による基本法推進体制をつくりました。同議員協が音頭をとり、防衛(軍事)秘密との関連やJAXAの組織のあり方などについて施行一年後の基本法見直し検討をすでに日程にのせています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp