2008年6月13日(金)「しんぶん赤旗」

温室ガス削減 国連作業部会

先進国は中期目標もて

途上国が要求 日本は消極姿勢


 【ボン=岡崎衆史】ドイツ・ボンで開催中の国連気候変動枠組み条約と京都議定書締約国の作業部会で、途上国は先進国に対し、二〇五〇年の長期目標とともに、二〇二〇年の中期の削減目標も設け、温暖化防止の取り組みの先頭に立つよう要求しています。欧州諸国はこれに積極的に応じていますが、日本は中期目標設定を見送る姿勢を示し、先進国間の温度差が浮き彫りになっています。

 十三日閉幕予定の作業部会では、京都議定書の温室効果ガス削減第一約束期間が終わる二〇一三年以降の温暖化防止対策などをめぐって約百七十カ国が交渉しています。

 会議後半が始まった九日には、アフリカ諸国を代表して南アフリカが、先進国が拘束力ある野心的な目標を掲げるならば、世界全体も野心的な目標設定が可能になると述べ、先進国が二〇二〇年までに一九九〇年比25―40%の削減、二〇五〇年までに50%以上の削減など、中、長期目標を掲げるよう求めました。

 欧州連合(EU)はこれに賛意を表明し、役割を果たす用意があると述べました。

 EUはすでに二〇二〇年までに20%削減の中期目標を掲げ、他の国も同様の目標を掲げる場合にはさらに30%に引き上げるとしています。

 一方、日本は、中期目標を来年発表すると述べるにとどまりました。

 福田康夫首相が九日に発表した温暖化対策(福田ビジョン)では、二〇二〇年までに14%の削減が可能だとしていますが、一九九〇年比ではなく、九〇年から7・7%排出を増やした二〇〇五年比に設定。会議に参加している世界の環境NGOが発行しているニュース、エコ(ECO)十日付は、「主要国首脳会議(G8サミット)ホスト国が必要とする野心的目標も気候変動への緊急性も全く欠けている」と批判しています。



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