2008年6月10日(火)「しんぶん赤旗」
共産党 5議席に躍進
沖縄県議選 自民惨敗 与党過半数割れ
議案提案権得る
沖縄県議選(定数四十八)は八日に投開票され、現有三議席だった日本共産党は五候補が当選して躍進しました。議案提案権を獲得し、代表質問などもできるようになりました。浦添市区では初の党議席を獲得。前回の県議選と比べ、得票増となりました。県議会での議席占有率は6・25%から10・42%になりました。
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那覇市区(定数十一)でマエダ政明=現=と、とぐち修=新=両候補が六位、七位、沖縄市区(定数五)でカヨウ宗儀候補=現=が三位、糸満市区(定数二)で玉城ノブコ候補=元=が二位、浦添市区(定数四)のニシメ純恵候補=新=が三位でそれぞれ当選。豊見城市区(定数二)のまえさと保候補=新=は得票数を伸ばしたものの当選には至りませんでした。
会派別当選者数は共産五、自民十六、公明三、民主四、社民五、社会大衆二、そうぞう一、諸派・無所属十二。自民党は改選前と比べ四議席減と惨敗し、公明と合わせても県政与党は議席を二十七から二十二に減らし、過半数を割り込みました。与党の過半数割れは十六年ぶり。
同選挙では、長寿を尊びお年寄りを大切にする沖縄で、後期高齢者医療制度の是非を最大の争点として行われました。米軍基地への対応や福祉などの仲井真県政への評価も問われました。
安保廃棄、基地撤去をかかげる日本共産党が躍進したことは、後期高齢者医療制度の廃止とともに、名護市辺野古への米軍新基地建設反対の県民世論を示しました。
日本共産党の各候補者はまた、高すぎる国民健康保険料・税の引き下げ、中学校卒業までの医療費無料化、県誘致企業での正社員化の拡大などの政策、公約を訴えました。
当選した五人は一夜明けた九日、那覇市の街頭にそろって立ち、「力を合わせて暮らしを守り、平和を守り基地をなくすために全力で頑張っていきたい」など公約実現を訴えました。後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書を県議会に提出する予定です。
投票率は57・82%。前回を0・9ポイント下回りました。
後期高齢者医療・米軍新基地ノー
国・県は審判に応えよ
市田書記局長
日本共産党の市田忠義書記局長は九日、国会内で記者会見し、沖縄県議選で日本共産党が五議席に躍進したことについてふれ、「わが党の訴えに多くの有権者から共感と支持を寄せていただいた。今後は獲得した議案提案権を活用して、県政を一歩でも二歩でも前進させていきたい」と表明しました。
市田氏は、県議選では、県政だけでなく、後期高齢者医療制度や新基地建設の問題など国政の問題も大きな争点になったと指摘。日本共産党は、後期高齢者医療制度の問題を一貫して追及し、辺野古への米軍新基地建設を許さない意思を示そうと訴えて大きな支持を得たとして、「国、県は、この重大な審判に応えることが必要だ」と強調しました。
なかでも、後期高齢者医療制度の問題は、町村信孝官房長官が九日の記者会見で、「(県議選での与党敗北の)背景として同制度があったことは否定できない」と認めるなど最大の争点となったとして、「直近の県議選でノーの審判が下されたのだから、衆院段階でただちに審議入りすべきだ」と力説しました。
市田氏は、公立高校の授業料値上げ強行など沖縄県政が「県民の暮らしを守る防波堤の役割を果たしてこなかった」と指摘。県議選では、この点でもノーの審判が下ったとして、「日本共産党は(県政でも)高すぎる国保料の引き下げ、子どもの医療費を中学卒業まで無料化するなど県民の要求にもとづく議案提案を行っていきたい」と強調しました。