2008年5月30日(金)「しんぶん赤旗」
東京大空襲訴訟
尋問実現へ署名提出
高畑監督ら有識者55人も
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東京大空襲訴訟の原告団と弁護団は二十九日、東京都千代田区の東京地方裁判所内で記者会見し、原告らが求める専門家・原告尋問の実現を要請する署名に対して、アニメーション映画監督の高畑勲さんや漫画家の石坂啓さんら有識者五十五人が応じたことを発表しました。団体署名は三百三団体に上り、有識者分と合わせて同日、地裁に提出しました。
原告・弁護団は四月、学者や専門家六人と原告三十人の証拠調べを申し出ました。
これに対し国側は、原告の請求自体が失当しているため事実関係の確定は不要とし、「証拠調べをする必要はない」と主張。裁判所に対し法的判断のみを求め、原告の請求をすみやかに棄却すべきだとのべています。
記者会見で中山武敏弁護団長は「事実関係の検証なくして違法性があるかどうかの法的判断はできない」と指摘。戦後補償裁判でも、自衛隊のイラク派兵は違憲と判断した名古屋高裁判決の訴訟でも、国側は同じ主張を繰り返していたと批判しました。
原告団副団長の城森満さんは「国は事実を明らかにされるのが怖いのではないか」と語りました。
署名した有識者はほかに、翻訳家の池田香代子さん、人材コンサルタントの辛淑玉さん、作家の辻井喬さん、早稲田大学法学学術院教授の水島朝穂さんら。