2008年5月30日(金)「しんぶん赤旗」

クラスター爆弾禁止

国際会議合意 日本の例外拡大要求入れず

条約案きょう採択


 【ロンドン=岡崎衆史】アイルランド・ダブリンで開かれているクラスター爆弾禁止条約の年内締結を目指す「オスロ・プロセス」の国際会議は二十八日、一部の最新型を除いてほとんどのクラスター爆弾を禁止する条約案で合意しました。アイルランド外務省が同日発表しました。例外規定の拡大を求めた日本の主張は受け入れられませんでした。


 条約案は、会議最終日の三十日に正式採択され、十二月二、三日にオスロで調印される予定です。これまで包括的な禁止条約の策定に消極的だった日本の態度が注目されます。会議には百十一カ国の代表と十八のオブザーバー国が参加。米国、ロシア、中国、イスラエル、インド、パキスタンなど、クラスター爆弾の主要製造・使用国は参加していません。

 現地からの報道によると、アイルランドのマーティン外相は、合意を「国際人道法への真の貢献」と称賛しました。

 条約案は、クラスター爆弾の使用、開発、製造、保有、移送とともに、条約非加盟国がこうした行為を行うことを支援、奨励することも禁止すると規定。保有しているクラスター爆弾は、条約発効から遅くとも八年以内に破壊することを義務付けています。

 禁止対象の例外となるのは、(1)子爆弾の数が十個未満(2)子爆弾の重さが四キロ以上(3)目標識別機能を有する(4)不発になった場合自爆する機能を持つ(5)自動的に起爆装置が働かなくなる電子構造を持つ―などの要件を満たしている一部の新型に限定。非政府組織(NGO)の「クラスター爆弾連合」は、99%のクラスター爆弾が禁止となるとしています。

 一方、条約案は、締約国が非締約国との軍事作戦に参加することを認めています。日本や英国など米国の同盟国は米国との軍事作戦を可能にするためこの条項を盛り込むよう強く求めていました。


 クラスター爆弾 1つの親爆弾から数百個の子爆弾が広範囲にばらまかれ、戦車群や地上部隊、施設を一度に壊滅させる兵器。子爆弾はすべて爆発せず、不発弾を拾った民間人を殺傷するよう製造されているといわれます。米軍がアフガニスタンとイラクで、イスラエルがレバノンで使用し国際的な非難を浴びました。保有国は70カ国以上、日本の自衛隊も保有しています。


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