2008年5月27日(火)「しんぶん赤旗」
米の越境空爆など批判
サンパウロ・フォーラム閉幕
【モンテビデオ(ウルグアイ)=菅原啓】中南米地域の左派・中道左派政党が参加して当地で開かれていたサンパウロ・フォーラム第十四回会議は二十五日、米国の干渉政策の強まりを批判し、地域統合の促進を呼びかけた最終宣言を採択して閉幕しました。
討論には、エクアドルのコレア政権のパティニョ政治調整相も出席。三月に発生した同国領内へのコロンビア側の越境攻撃について、空爆作戦が米軍機によって行われたことが判明したと報告し、テロや麻薬対策を口実に他国の主権を侵害する米国の行動を厳しく非難しました。
最終宣言では、エクアドルへの越境攻撃、ラテンアメリカを警戒対象とする米第四艦隊の再設立などを列挙して、米国の干渉政策に反対する立場を明らかにしました。
宣言は、二十三日に設立条約が調印された南米諸国連合や南米防衛理事会創設の提案を支持。この動きの強まりが、「ラテンアメリカ・カリブ海諸国だけで構成される常設機関の創設への前進を可能とするだろう」と指摘し、米国抜きの地域的安全保障機構をめざす展望をのべています。
閉会式であいさつしたニカラグアのオルテガ大統領は、地域の左派政権がさらに力関係を変えていく必要性を強調。メキシコの中道左派野党、民主革命党(PRD)のエスコバル国際担当書記は、「左派勢力の政権は、国を運営するためでなく、変革するためにある」とのべ、多くの国で政権与党となった左派勢力がこれまで以上に大きな責任を担って奮闘する意義を強調しました。
会議には、ラテンアメリカ地域外からの参加を含め三十カ国の政党、団体の代表約六百五十人が出席しました。
日本共産党は、サンパウロ・フォーラムの招待を受け、菅原啓国際局員がオブザーバーとして出席しました。