2008年5月24日(土)「しんぶん赤旗」

年金改悪ノン

仏 70万人デモ 主要5労組がスト


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(写真)年金改悪に反対するデモに集まった人々=パリ、22日(山田芳進撮影)

 【パリ=山田芳進】フランス全土で二十二日、年金制度改悪に反対して主要五労組がストを実施しました。全国百五十三市で行われたデモには、主催者発表で七十万人(警察発表二十九万六千人)が参加しました。

 年金「改革」は一年前に就任したサルコジ大統領の公約の一つ。政府は年金財政赤字を理由に、二〇〇三年の年金「改革」法に従い、一般制度年金(一部公共企業体労働者を除く)の満額受給に必要な保険料納付期間を、〇九年から一二年までに段階的に四十年から四十一年に延長しようとしています。

 労組側はこれに対し現行納付期間四十年を維持することを要求。また〇三年の「改革」法制定時に政府が約束した「組合側との協議」がなされないまま一方的に納付期間延長が施行されることに反発しています。

 最有力労組、労働総同盟(CGT)のチボー書記長は政府案に「積極的な点は一つもない」とし、スト成功を受け、「ボールはいまや政府の側にある」と発言。労働者の力(FO)のマイイー書記長も「もし政府が動かないのなら、さらなるストも辞さない」と引き続き政府に圧力を加える構えです。

 一方、フィヨン首相は、寿命の延びに応じた財源確保に不可欠だとして、保険料納付期間の延長を再確認しました。

 十五歳から自動車会社ルノーで整備士として働くパスカルさん(42)は、「昔に比べれば労働環境は改善されたとはいえ、油にまみれたり、不自然な姿勢を取ったりなど、年を重ねるにつれて健康を害する確率が高くなる。四十年働けば十分。政府は六十歳前の退職者にも、満額の年金を支給するべきだ」と語りました。


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