2008年5月20日(火)「しんぶん赤旗」
築地移転問題
対策案は移転前提
考える会が批判
築地市場の仲卸業者でつくる「市場を考える会」は十九日、移転予定地(江東区豊洲)の土壌汚染対策を検討した東京都の専門家会議について、傍聴した学識経験者らと都庁で記者会見し、対策案は移転を前提にしたものだと厳しく批判しました。
会見で、同会の山崎治雄代表幹事は「私たちは、土壌汚染の豊洲には行かない。築地で再整備できる」とあいさつ。
野末誠総務委員長は、石原慎太郎都知事に署名を提出してデモを行いたいと表明しました。
日本環境学会の畑明郎会長(大阪市立大学教授)は、二月に石原知事と、都専門家会議の平田健正座長に公開質問状をだしたが、いまだに返事がないと批判し、「(市場移転予定地の)土壌調査を、表層しかやっていないのは問題だ。表層に残ってなくても、(高濃度汚染物質が)地下の土壌汚染はもっとひどい可能性もある」と指摘しました。
日本環境学会の坂巻幸雄前副会長は「行政が築地移転を押し付けることは問題がある。汚染対策を講じるためには少なくとも一千億円以上かかる。そういうことに私たちのお金を使ってほしくない」と語りました。