2008年5月15日(木)「しんぶん赤旗」

四川大地震

断層破壊は2段階

エネルギー「阪神」の30倍

地震波から解析


 中国・四川省の大地震は、二分間にわたる二段階の断層活動によって起きており、断層のずれは約二百五十キロメートルに及んでいる―。筑波大学の八木勇治准教授らが各地の地震波から解析した結果を明らかにしました。

 八木准教授によると、地震開始から約五十秒かけて長さ約百キロ、幅約三十キロの断層のずれが起き、断層破壊は北東方向に伝わっていきました。さらに地震開始から約六十秒後に、震源から北東約百キロの地点から二段階目の破壊が始まり、約六十秒かけて長さ百五十キロ、幅約三十キロの断層がずれました。

 阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)を起こした断層活動は約四十キロ。断層活動の解析からマグニチュードを求めるモーメントマグニチュードは、阪神大震災が6・9(気象庁発表のマグニチュードは7・3)で、今回の中国の地震は7・9とされています。地震のエネルギーに換算すると、中国の地震は阪神大震災の約三十倍に相当します。


 マグニチュード 地震の規模を表す指標値。地震波の形で放出されるエネルギーを対数的に表現しており、マグニチュードが一大きくなると地震のエネルギーは約三十二倍に、二大きくなると千倍になります。各地の揺れをもとに気象庁が発表する通常のマグニチュードと、地震を起こした断層の面積とずれの大きさを推定して求めるモーメントマグニチュードとがあり、大きな地震では後者の方が正確とされています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp