2008年5月10日(土)「しんぶん赤旗」

ＮＨＫ経営委員長罷免を

市民団体 首相あてに署名提出

　政治的言動が相次いでいるＮＨＫの古森重隆経営委員長について四つの市民団体が九日、罷免を求める六千二百九十人分の署名を、経営委員の任命権者である福田康夫首相にあてて提出しました。

　古森氏は、昨年九月の経営委員会で選挙期間中の放送のあり方について言及し、今年二月には自民党衆院議員の励ます会に出席するなど、ＮＨＫ経営委員長の立場を超えた政治的言動に批判の声が上がっています。

　署名を提出した「ＮＨＫを監視・激励する視聴者コミュニティ」の共同代表・醍醐聰東京大学教授は「古森氏は、ＮＨＫの長としては致命的な誤りを犯している。任期を待たずに内閣総理大臣による罷免を求める署名を提出した。署名運動は、古森委員長の“終わりの始まり”だと思っている」と語りました。

　また､古森氏が｢国際放送では国益を主張せよ｣と繰り返し述べていることに対し､｢そもそも国益とは誰が判断するのか｣と疑問を呈しました｡同席した｢ＮＨＫ問題を考える会(兵庫)｣の中野明彦運営委員は｢メディアの中核にあるＮＨＫが不偏不党や公正さを欠いたら､全体が狂ってしまう｣と危機感を語りました｡

　同趣旨の申し入れは、衆参総務委員にも提出する予定です。署名の呼びかけ団体はほかに「ＮＨＫ問題京都連絡会」「ＮＨＫ問題を考える大阪の市民の会」。