2008年4月12日(土)「しんぶん赤旗」

「全原告救済を」

原爆症認定の被爆者ら会見


 厚生労働省の新しい基準による初審査(七日)で原爆症と認定された集団訴訟の原告が十一日、初めて厚労省内で記者会見しました。原告は過去に認定を却下されていましたが、再申請なしで却下処分を取り消され、認定されました。

 東京都在住の梅園義胤さん(68)=腎臓がんで認定=と、吉澤純一さん(79)=前立腺がん=。二人は「ご支援ありがとうございました」とかみしめるように語りました。

 梅園さんは「全員が認定されるよう、これからも原告として頑張る。認定になっていない人のことを思うと、悔しくてならない」と原告の友人の遺影を示しました。

 吉澤さんは、「突然、認定を受け驚いた。原爆で亡くなった五人の家族を背中に背負い、たたかってきた」と声を震わせ、「厚労省のやり方に心から怒っている」と今後も団結してたたかっていくと語りました。

 同席した全国原告団の山本英典団長は「審査のやり方がやっと改まってきたことはうれしいが、勝訴した原告さえ認定されるかどうかわからない基準だ。原告全員の救済を」と求めました。

 この日までに認定が判明している東京の原告は梅園さん、吉澤さんのほか、東京都在住の平井園子さん(70)=子宮体がん=、関口智恵子さん(七十二歳で死亡)=卵巣がん=、男性(89)=腎臓がん=の五人。いずれも地裁判決で勝訴した原告で、全員、広島で直爆を受けました。爆心地からの距離は一・八キロメートルから二・四キロメートルです。


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