2008年4月8日(火)「しんぶん赤旗」

「靖国」上映中止に抗議


全労連と映演労連

 ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止問題で、文化庁が一部自民党議員らの要望に応じ、事前試写会の開催に協力、資料提供に応じたことについて、同庁は七日、「対応は間違っていなかった」との立場を表明しました。

 全国労働組合総連合(全労連、坂内三夫議長)と映画演劇労働組合連合会(映演労連・高橋邦夫委員長)が同日、文化庁を訪れ、公開前に議員向け試写会に協力したことなどに抗議。事前検閲に手を貸したのであり、容認できないと指摘。芸術文化課の清水明課長らが答えたもの。

 映演労連の高橋委員長によると、文化庁は、「公的助成をめぐり国会議員から要望があれば、応じざるを得ない」と答弁。

 高橋委員長は「今回のケースを文化庁は政治的圧力と捉えていない。反省の弁はなく、憤りを感じる。今後も同じ対応を繰り返すことを否定しなかったのは非常に重大な問題」と話しました。

民放労連

 ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止問題で、日本民間放送労働組合連合会(民放労連)は七日、碓氷和哉委員長の抗議談話を発表しました。

 談話は、自民党の稲田朋美議員らが事前試写会を開催させたことを「『検閲』に相当するもの」だと指摘。映画上映の場が失われないよう、映画関係者に「最大限の努力」を求めています。

自民・稲田議員に要請

共産党福井県委 干渉中止を

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」が公開を前に各地で上映中止に追い込まれている問題で、日本共産党福井県委員会は七日、自民党の稲田朋美衆院議員(福井1区)あてに、国民への謝罪と干渉活動の中止を求める申し入れ文を提出しました。

 同県委員会の南秀一委員長、かねもと幸枝衆院比例候補(福井1区重複)、佐藤正雄同副委員長の三氏が福井市内の同議員事務所を訪れて要請し、稲田議員秘書の椿原豁氏が報道陣の取材を断った上で応対しました。

 同映画をめぐっては、稲田氏ら「靖国」派国会議員が文化庁を通じて製作者に圧力をかけ、国会議員のみを対象にした異例の事前試写会を強要。自民党議員はこの映画に対し、反靖国の「政治的宣伝」ときめつけ、政府出資の芸術文化振興基金から出た助成金の返還を求める国会質問をするなど不当な介入を行っています。

 南氏らは「憲法の保障する『表現の自由』を侵害し、民主主義の根幹を脅かす重大問題」「(稲田氏らの主張は)自分たちの意に沿わない作品には助成するなというに等しい」と指摘しました。

 椿原氏は「しっかりと受け取りました。議員に伝え、検討します」とだけ答えました。

 申し入れ後、南氏らは記者会見を行いました。



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