2008年3月28日(金)「しんぶん赤旗」

国労がJR貨物と和解

高橋委員長 「採用差別 早期解決を」


 国鉄労働組合(国労)と日本貨物鉄道(JR貨物)は二十七日、国労の組合員が昇進差別など不当な差別をうけたとして中央労働委員会などに救済を求めていた七件の事件について和解しました。中労委で係争中の四件と東京地裁の二件、東京労働委員会の一件で、対象者は千六百五十三人。

 今回の和解で二十年におよぶ国労とJR各社との労使紛争は、国鉄の分割民営化のさい採用差別された千四十七人の不採用事件だけになります。

 和解内容は、(1)人事・労務管理を公平・公正に行う(2)会社と組合は、昨年度の昇職試験・昇格結果を評価し、今後とも維持する(3)JR貨物が国労に解決金を支払う(4)会社と組合は、労働組合法、関係諸法令を順守し、労働協約の精神にのっとり労使紛争が生じないよう努める―というもの。

 記者会見した国労の高橋伸二委員長は、「分割民営化のなかで、JRは不当労働行為のデパートといわれるほどの不当労働行為があった。JRと国労との問題はこれで解決し、残されるのは不採用問題だけだ」とのべ、政府に早期の政治解決を求めていく考えを強調しました。

 JR採用差別事件をめぐっては、最近でも、東京地裁で二度にわたって国側の責任を断罪する判決が出され、ILO(国際労働機関)が七度にわたって早期解決を求める勧告を出すなど、早期の政治解決を求める流れが大きくなっています。

 JRでの国労関係の労使紛争がなくなり、正常な労使関係の確立へ向かうもとで、輸送の安全とサービス向上をはかるためにも、採用事件の早期解決に向けて政府が直ちに交渉のテーブルに着くことが求められます。



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