2008年3月18日(火)「しんぶん赤旗」

「死者は13人」

チベット自治区主席が発表


 【北京=山田俊英】中国チベット自治区のシャンパ・プンツォク主席は十七日、北京で記者会見し、ラサで起きた騒乱事件処理の過程で公安と武装警官は「いかなる殺傷武器も使用しておらず、発砲もしていない」と語りました。また騒乱鎮圧にあたって軍隊は出動していないと語りました。

 同主席は、事件で十三人が死亡し、警察官六十一人が負傷、二百四十一軒の住宅と店舗、五十六台の自動車が放火されたと発表。死者はいずれも暴徒に刺殺、あるいは焼き殺された市民だとしています。また、ラサ市内は「既に平穏になった」とし、七十―八十人が死亡したとの情報は「デマだ」と否定しました。

 一方、チベット自治区外事弁公室は外国人の自治区への立ち入りを当分認めないとし、現在区内に滞在している外国人に早急に退去するよう求めています。

 人民日報とチベット日報が運営するインターネット・サイト「中国チベット・ニュースネット」によると、中国共産党同自治区党委員会と自治区政府は十五日、治安当局者を含めた指導幹部大会を開催。自治区のトップの張慶黎・同党委員会書記は、事件は「チベット独立・分裂勢力が策動した社会秩序の破壊」であるとし、チベット仏教指導者ダライ・ラマ十四世の勢力を非難しました。同書記は、事件には「深い政治的背景と複雑な社会的背景がある」との認識を示しました。

 十七日付の中国共産党機関紙、人民日報は「ダライ(・ラマ)集団によるチベット社会の安定破壊は失敗する運命にある」と題する新華社論評を掲載。「世界のいかなる国も“チベット亡命政府”を承認していない」と強調しました。

 また、同紙は事件の発端として、ラサのデプン寺で十日、僧侶約三百人が「法を無視」して騒ぎを起こしたとし、これを阻止した都市管理当局者を僧侶が殴打した結果、衝突が発生し、セラ寺やジョカン寺(大昭寺)の僧侶も巻き込み、騒ぎが拡大したと伝えました。


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