2008年3月17日(月)「しんぶん赤旗」

米軍に思いやり

宴会係・バーテン・ゴルフ場…

日本が人件費1463億円 予算案

赤嶺議員に職種内訳示す


 在日米軍への「思いやり予算」で、日本側が労務費を負担している基地従業員の職種の内訳が十六日までに分かりました。宴会係マネジャーや観光ガイド、遊覧ボートの艇長、バーテンダーなども含まれています(表)。日本共産党の赤嶺政賢議員に対し、防衛省が示した資料で明らかになったものです。


 資料によると、在日米軍基地で働く従業員は、総数で二万四千五百三十七人です(二〇〇六年十二月末現在)。最も多い職種は、カフェテリアで客に軽食の提供などを行う「カウンター・アテンダント」七百十五人。このほか、コックは六百六十一人、「移動巡視警備員」が四百五十八人に及びます。

 米兵の娯楽のための職種も目立ちます。

 たとえば、バーテンダーなどのバー関連が九十三人、基地内にあるボウリング場関連が二十九人、ゴルフ場関連が五十二人。このほか、宴会係マネジャー(九人)、劇場業務監督(六人)、ケーキの飾り付けを行うケーキデコレーター(五人)、観光ガイド(三人)、遊覧ボートを操縦する艇長(一人)といった職種もあります。

 基地従業員の労務費は、「思いやり予算」として日本側が負担している費目の一つ。二〇〇八年度政府予算案には、千四百六十三億円が計上されています。

 政府・与党は、こうした「思いやり予算」をさらに三年間継続するために、日米両政府が一月に署名した新たな日米特別協定の国会承認を急いでおり、十八日にも衆院で審議入りしようとしています。


 「思いやり予算」 政府が「思いやりの精神」(金丸信防衛庁長官=当時)と称し、一九七八年度から予算案に計上を始めました。在日米軍基地で働く従業員の労務費のほか、▽基地内の施設や家族住宅などの光熱水料▽米軍厚木基地などで実施されている夜間離着陸訓練(NLP)を硫黄島で実施するための訓練移転費▽施設建設費―から成ります。二〇〇八年度政府予算案では、総額で二千八十三億円に達します。在日米軍の特権を定めた日米地位協定でさえ、基地の提供以外の駐留経費は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」(第二四条)と明記しており、この規定にも違反する支出です。

表


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