2008年3月5日(水)「しんぶん赤旗」
教職専任勝ち取る
大阪 初芝学園の労組
外食産業からの出向是正
違法横行 府も改善指導
外食産業「グルメ杵屋」(本社・大阪市)からの出向という形で教職員を雇用していた学校法人大阪初芝学園(本部・堺市)が、出向教職員全員を四月一日付で専任教職員にすることがわかりました。一日、同学園理事会が大阪私学教職員組合・初芝分会に文書で正式に伝えたものです。
〇七年度の杵屋の出向教職員は九十六人、全教職員の約四割にのぼります。今回の是正で、出向教職員として勤務していた期間も学園で雇用されていたとみなされることになります。
同出向制度は杵屋会長の椋本彦之氏が学園の理事長時代の一九九八年度に導入。一年目は同学園が常勤講師として雇い、二年目からは杵屋が正社員として雇用、同学園に出向させ、七年目以降は出向期間の更新か自主退職かになります。理事長が「熱意が足りない」と評価する教員は杵屋にもどすという全国に類をみない制度で、大私教初芝分会は同出向制度を廃止し、学園採用の専任教員にするよう求めていました。また、大阪労働局が「職業安定法」で禁止している人材派遣にあたるとして同社と学園に是正を指導していました。
同学園では椋本理事長のもとで一方的な定年制の切り下げによる解雇や付属幼稚園教諭への賃金未払いなどの違法行為が相次ぎ、裁判ではいずれも学園側が敗訴しています。また、架空運動場による税のがれや定員増のための議事録偽造、学園に無関係な「グルメ大学」設立のための用地売買契約を理事会に隠して締結するなど、私立学校法違反、不正・不法行為が横行し、大阪府も改善を指導。椋本氏は理事長を昨年十二月に辞任しました。

