2008年3月5日(水)「しんぶん赤旗」

イラン制裁を決議

3度目は全会一致ならず

安保理


 【ワシントン=鎌塚由美】国連安保理は三日、ウラン濃縮活動を続けるイランに対し、新たな制裁決議を賛成十四、棄権一で採択しました。イランの核活動に国際社会の厳しい姿勢を示すものですが、今回は全会一致の決議とはなりませんでした。


 ウラン濃縮活動の停止を求める対イラン制裁決議は今回が三度目。二〇〇六年十二月と〇七年三月にはともに全会一致で採択されました。

 今回の決議では、資産凍結やイラン高官らの渡航禁止などが拡大されたほか、核やミサイル関連物資を輸送している疑いのある航空機と船舶の貨物検査実施を各国に要請。今回も、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に九十日以内に報告を行うよう求め、イランが活動を停止しない場合、さらなる経済制裁を科すとしています。

 常任理事国五カ国とドイツ、欧州連合(EU)を代表して、英国大使は安保理決議に応じないイランを「非難する」一方、これらの諸国がイランとの対話を促進する外交的交渉の手段を保持していることを改めて強調しました。

 これに対しインドネシア大使は、今決議が問題解決につながるかどうか「確信できない」と疑問を呈し、棄権票を投じました。

 決議採択に至るまでには、アラブ諸国を代表するリビアや非同盟諸国のベトナム、南アフリカなどが、イランはIAEAに協力する姿勢をとっているとし、採択に難色を示していたと伝えられていました。

 この日の安保理に出席したイラン大使は、同国の核開発計画が「絶対的に平和的なものであり、国際の平和と安全にとっての脅威ではない」との主張を繰り返しました。


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