2008年3月3日(月)「しんぶん赤旗」

子育て支援で

ベビー増

ドイツ、韓国


ドイツ 育休補償 給与の67%

17年ぶり出生率1.4

 ドイツの赤ちゃんの出生数が増えています。二〇〇七年一月から導入した「親手当」の効果によるもので、フォンデアライエン家庭相は「赤ちゃんの誕生が増えたことは非常に喜ばしい」と語りました。

 ドイツの家族・高齢者・女性・青年省(家庭省)が二月二十九日に発表したところによると、出生率(合計特殊出生率)は〇六年の一・三三から〇七年は一・四に上昇しました。出生率が一・四に回復したのは一九九〇年以来の十七年ぶり。フォンデアライエン家庭相は「十一月までの出生数のデータで〇七年は一月平均の出生数が〇六年より千人ほど多い」と語りました。

 家庭省は親手当や保育所増設の少子化対策の結果としています。親手当は、両親のどちらかが育児休業をとる場合、十四カ月にわたり、給与の67%を補償します。最高額は月額で千八百ユーロ(約二十八万五千円)。ただし、片親だけが休職して受け取れる期間は十二カ月で、残る二カ月の手当をもらうためにはもう一方の親も休職する必要があります。父親の育児参加を促進する規定です。

 二十九日の家庭省の発表では、親手当を受給した人は五十七万一千人。男性の割合は〇七年第一・四半期が6・9%だったものが、第四・四半期は12・4%となり、制度の認知度が広まるにつれ父親の育児休業取得率が高まる傾向も明らかになりました。

 親手当を十四カ月間受け取るため、母親に加え父親が親手当をもらい、育児休暇を取るケースが増えたもので、父親の育児休業は大多数が二カ月でした。

 一方、親手当制度創設に伴い、これまで子ども一人につき月額三百ユーロ(約四万七千五百円)を二年間にわたり支給してきた養育手当がなくなったことで、受給期間が短くなった層もあると左翼党は批判しています。

 一例として、両親が学生であったり失業していた場合、親手当は十四カ月間、三百ユーロが支払われますが、養育手当の受給期間に比べ短くなっています。

韓 国 保育費用 支給を拡大

2年連続増 1・26

 韓国の出生率(合計特殊出生率)が二〇〇六年に続き〇七年も前年比で上昇し、一・二六となりました。〇七年の干支(えと)が、「福を招く」とされるブタ年(イノシシ年)だったせいもありますが、韓国統計庁は「保育費支援などの少子化対策が効果を発揮し始めた」と評価しています。

 韓国では一九九五年以降、出生率の減少が続き、二〇〇五年に一・〇八まで減少。政府が対策に本腰を入れ始め、〇六年に一・一三へ上昇に転じました。

 対策は保育費の支援が中心で、満三歳と零歳の児童がいる月収三百九十六万ウォン(約四十四万円)の平均所得世帯の場合、月額で平均三十五万四千ウォン(約三万九千円)の支援を受けることができます。

 韓国政府は〇八年度も支援を拡大し、政府予算の約4・9%にあたる十兆七千億ウォン(約一兆八千八百億円)を少子高齢化対策に充てる計画です。


 合計特殊出生率 女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までとし、1人の女性が一生に産む子どもの数。合計特殊出生率は人口内の性別や年齢別構成に影響されにくいため、国際比較に使われます。合計特殊出生率が2.1前後で人口が維持されるとされます。2006年の各国の出生率は米国2.10、フランス1.96、英国1.84、日本1.32など。


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