2008年2月23日(土)「しんぶん赤旗」

米国で労組組織率増加

組合員31万人増 昨年


 【ワシントン=鎌塚由美】反労組・企業寄りのブッシュ政権の下で、米国の労働組合組織率が増加していることが明らかになりました。米労働統計局がこのほど発表した統計によると、二〇〇七年の組織率は12・1%となり、前年比では三十一万人増えて千五百七十万人となりました。

 労働問題が専門のジャーナリストのディック・マイスター氏(サンフランシスコ在住)は、十九日にインターネット上で発表した文書で、米労組の組織率増加は「三十年来で初めて」だと注目しています。

 労働統計局は、〇七年の特徴として▽民間部門に比べ公共部門では組織率は五倍▽全職種の中で最も組織率が高いのは教育・司書職の37・2%―などをあげています。

 人種別では、黒人男性の組織率が最も高い一方、中南米系の女性の組織率は最も低くなっています。年齢別では、四十五―五十四歳、五十五―六十四歳の組織率がそれぞれ15・7%、16・1%と高い一方、十六―二十四歳では最も低く、4・8%でした。

 マイスター氏は今回の組織率増加の背景について、「米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)や、AFL・CIOを三年前に去ったサービス業国際労組(SEIU)、全米運輸労組(チームスターズ)など五つの主要労組の新たな組織化の努力」があると指摘。ブッシュ政権の反労組姿勢や、失業率の増加、さらには産業の海外流出など困難な状況のなかでの増加は「注目に値する」と語りました。


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