2008年2月20日(水)「しんぶん赤旗」
子どもと家族の応援?
政府の少子化対策とは― (4)
消費税増税を財源に
政府の「『子どもと家族を応援する日本』重点戦略」は、女性就業率引き上げのため、一定の両立支援策の整備に「効果的な財政投入」が必要という立場から、そのための「社会的なコスト」を推計しています。
それによると、これまでの日本の子どもと家族に関する社会的支出は、年額四兆三千三百億円。GDP比で0・83%にあたります。これに加えて、今後、女性就業率の引き上げに伴う保育サービスや育児休業の増加などに対応するためには、推計で毎年一・五兆円から二・四兆円の追加支出が必要だとしています。
これまでもフランスではGDP比3・02%、ヨーロッパの多くの国でも2〜3%を家族政策にかけてきました。日本の0・8%はきわめて低く、抜本的な拡充は当然必要です。追加支出を加えても、フランスの水準で試算した十・六兆円にはまだまだおよびません。
欧州との格差
予算規模だけではなく、基本的な考え方が大きく違っています。ヨーロッパ諸国では、子育てを社会的に支える見地を政策につらぬいています。
保育や育児休業の拡充とあわせて、経済的給付も充実させ、子育ての経済的負担の解消をすすめてきました。労働時間短縮やパート労働者の均等待遇など人間らしい働き方のルール、医療、教育費負担の軽減など、充実した社会保障も土台にあります。
こうした保育、経済的支援、働くルールの各分野の総合的なとりくみによって、女性の社会進出をすすめながら、出生率回復が可能となったのです。
しかし「重点戦略」は労働力確保を中心としており、保育や働き方の点でも問題があることはこれまでみたとおりです。
支援になるか
さらに問題なのは、その財源について、「次世代の負担にすることなく」「今、この社会的コストを負担しなければ、持続的な経済発展を支える労働力の確保」ができないなどといって、国民に負担増がやむをえないものであるかのように迫っていることです。
具体的な設計については今後の「税制改革の動向をふまえ」としています。しかしその方向は、福田首相の施政方針などで消費税引き上げを含む「抜本的改革」とくり返し言明されているように、消費税の引き上げがねらいです。
福田首相が主宰し、奥田前日本経団連会長ら財界や学者、団体などで構成する「社会保障国民会議」には、三つの分科会の一つに「少子化・仕事と生活の調和」が設置されました。マスコミも「増税の地ならししたい政府の思惑も透ける」と報道しています。
政府はこれまでも社会保障のためとして税率引き上げを行いました。しかし、社会保障は改悪の連続です。国民が納めた二百兆円近い消費税は、大企業減税による税収減の穴埋めに使われてきたのが実態です。
所得が低いほど負担が重い消費税の増税は、若年層に深刻な影響を与えます。消費税増税が財源では「子育て支援」にはなりません。
大企業減税や無駄遣いを続けながら国民に負担を求めるというのでは、若者や女性の結婚・子育ての希望と現実との「乖離(かいり)」は、いっそう広がらざるをえないでしょう。
(おわり)(日本共産党女性委員会)

