2008年2月16日(土)「しんぶん赤旗」

米石油大手の取引停止

資産凍結に対抗 国内資源を国民の手に

ベネズエラ


 ベネズエラ政府は国営化した石油資源をめぐり、米石油大手エクソンモービルに対する批判を強めています。同社が求めていた国営ベネズエラ石油(PDVSA)の国外資産差し押さえを欧米の裁判所が認めたためです。対抗してPDVSAは、同社との取引の停止を発表しました。(メキシコ市=松島良尚)


地図

 ベネズエラ政府は昨年、オリノコ川流域の超重質油開発事業を国営化しました。国内資源を外国の支配から国民の手に取り戻すという革命の方針に沿ったものです。

 国営化はこの事業に投資している外国企業の株式購入や補償を通じて行われました。ほとんどの外国企業は株式の売却に応じ、PDVSAが経営権をにぎる合弁事業体の共同出資者としてとどまりました。

 しかしエクソンモービルは撤退し、投資の補償をめぐってベネズエラ政府と交渉。同政府も了解して世界銀行の投資紛争解決国際センターに仲裁を求めました。

 ところが同社はそれと並行して、欧米の裁判所にPDVSAの国外資産百二十億ドル(約一兆三千億円)を凍結するよう提訴しました。

 ベネズエラ政府とエクソンモービルとの交渉内容は明らかにされていません。エネルギー石油省のモメル次官によると、同社が同国の財政制度や石油事業権使用料など、国家主権に属することまで議題にしようとしたといいます。

 同国のチャベス大統領は十日、一連の動きは米国による「経済戦争」であり、「(資産凍結が)実施されれば、米国に石油を送らない」と警告しました。米国務省のマコーマック報道官は十三日、「エクソンモービルの努力を全面的に支持する」と表明。ただ米政府は両者の争いに関与しないとも述べました。

 ベネズエラは米国に対し、石油輸出量の六割以上にあたる日量百五十万バレルを輸出。エクソンモービルはその約一割を占めています。


 オリノコ油田 オリノコ川流域には膨大な重質・超重質油が存在し、それが可採埋蔵量と認められると、埋蔵量はサウジアラビアをしのぐ二千七百億バレルといわれます。生産コストが高いためこれまで日量六十万バレル程度ですが、将来を見越して開発事業には、エクソンモービルのほか米シェブロン、英BP、仏トタルなど多国籍企業が参加しています。


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