2008年2月15日(金)「しんぶん赤旗」
子どもと家族の応援?
政府の少子化対策とは― (1)
労働力不足への対応
昨年末政府は、少子化対策の報告書「『子どもと家族を応援する日本』重点戦略」を発表しました。このあらたな「少子化対策」は何をうちだしたのでしょうか。
政府は、これまで幾度も「少子化対策」をうちだしてきました。しかし少子化に歯止めがかかりません。二〇〇七年の出生数は前年比三千人減の百九万人にとどまり、過去最低の〇五年につぐ二番目の少なさです。
今回の「重点戦略」は「とりわけ労働力人口の急速な減少に対応」するという視点を中心にすえています。少子化の進行にともなう人口と労働力人口の急速な減少が、日本経済に重大な影響を与えるとの政府・財界の危機感が背景にあります。
経団連の戦略
厚生労働省の研究会の試算によれば、労働力人口が三〇年に、〇六年比で一千万人以上減少するとされています。
日本経団連も〇八年版「経営労働政策委員会報告」で、「趨勢(すうせい)的に人口が減少していく以上、老若男女すべての人々の力を最大限に引き出し、わが国経済社会の活力の維持・向上につなげていく」ことを求めています。
「重点戦略」はこれらをふまえ、「若者、女性、高齢者等の労働市場参加」、とりわけ子育て中の女性を中心とした労働力確保を位置づけたのです。数値目標として、十年後までに二十五―四十四歳の女性就業率を4―7%引き上げ、第一子出産前後の女性の継続就業率を7%上げることなどもかかげました。
今後の方向では、国民の希望する結婚や出産との「大きな乖離(かいり)」をなくすために、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現」と「包括的な次世代育成支援の枠組みの構築」を“車の両輪”として取り組むとしています。
原因にメスを
日本では、第一子の出産で七割の女性が離職するなど、世界でもきわだって子育て期の女性の就業率が低い事態にあります。これを改善して女性が働き続けられるようにすることは急務です。少子化の改善や男女平等の前進にとっても不可欠です。
「重点戦略」は、希望する結婚や出産との「乖離」の原因について、経済的基盤、将来の見通しや子育てと仕事の両立、育児不安、教育費負担などの問題点を列挙しています。しかし、なぜそうした事態になったのかは示していません。
こうした「乖離」を生み出し、事態を深刻化させたのは、政府自身が不安定雇用の拡大や女性の残業・深夜労働規制の撤廃などの雇用ルールを破壊してきたからです。さらに教育・社会保障を切り捨て、公的責任での保育所づくりの抑制などをすすめてきたことにあります。財界・大企業の求める「規制緩和」「構造改革」路線にこそ原因があります。
このおおもとを転換することなく、今度は労働力が不足するからと、財界・大企業の求めに応じて“女性、若者、高齢者の活用”を急ぐというのでは、国民の望む結婚と子育ての実現の方向からますます離れてゆくばかりです。(女性委員会)

