2008年2月9日(土)「しんぶん赤旗」

ブット氏死因は爆風

ロンドン警視庁が報告書


 【ニューデリー=豊田栄光】パキスタン政府の要請により同国のブット元首相暗殺事件を調査していた英ロンドン警視庁は八日、暗殺実行犯は一人で、この人物が銃撃の後に行った自爆の爆風にともなう頭部の強打が死因だとする報告書をまとめました。イスラマバードの英大使館が要約を発表しました。

 政府は昨年十二月二十七日の暗殺事件後、爆風による頭部損傷が死因と発表しており、ロンドン警視庁の報告はこれを補強する形になります。

 この報告に対しブット氏が総裁を務めていたパキスタン人民党(PPP)報道担当は「今回の報告書に同意するのは困難だ。ブット氏は凶弾に倒れた」と語っています。

 事件についてはブット氏が演説集会終了後、サンルーフから上半身を出して手を振っているところを銃撃され死亡したという説があります。ブット氏が倒れた後に爆発音がしたという目撃証言があります。最初に治療にあたった医師は銃弾の跡があったと記者会見で話していました。警察は司法解剖をせずに遺体を埋葬しました。

 パンジャブ大学のアンブリン・ジャベイド教授(政治学)は「銃弾による死亡となれば、なぜ警察は阻止できなかったのかと責任を問われる。爆風によるものなら、自爆テロはなかなか防げるものではないので、警察は警備責任をある程度回避できる。爆風説はまずだれも信じないと思う」と話しています。


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