2008年2月6日(水)「しんぶん赤旗」

中国製ギョーザ中毒 発覚1週間

いつどこで混入 深まる謎

輸入2ルート 接点は?


 中国製冷凍ギョーザの中毒事件が発覚してから1週間。5日には、生協が回収したギョーザから別の有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出され、「食の不安」は新たな広がりを見せ始めましたが、被害をもたらした「メタミドホス」は、いつどこで混入したのか―。流通経路をたどりながらどこまで究明されたかみてみました。


 冷凍ギョーザを製造したのは、中国河北省石家荘市の「天洋食品」。メタミドホスが検出された「中華deごちそう ひとくち餃子」は昨年十月一日に、「CО・ОP手作り餃子」は同二十日に製造され、工場内の冷凍庫に保管したあと、それぞれ天津新港から船積みされ大阪港、横浜港に到着しました。

4日間の“同居”

 二つの「餃子」は、工場内の冷凍庫に二十日から二十三日までの四日間“同居”していたことになります。

 大阪府枚方市の小売店から日本たばこ産業(JT)の子会社「ジェイティフーズ」に返品された六袋の製造日は、兵庫県高砂市の家族三人が入院したギョーザと同じ昨年十月一日でした。千葉県の二件のギョーザも同十月二十日と同じ製造日です。

 いまのところ、メタミドホスが検出された輸入ルートは、この二つです。

 メタミドホスが、生産・流通過程のどの段階で混入したかはいまだに不明です。

 天洋食品の工場では、製造後すぐに段ボールに梱包(こんぽう)されており、メタミドホスが混入する機会はきわめて限られています。中国側は、天洋食品も検査当局も製造過程での混入を否定しています。

 日本に別々の港に入港してからは、保管された倉庫や販売店などの流通経路が複数のルートに分かれています。

 殺虫剤検出の包装袋には、小さな穴が見つかったものもありますが、無傷のものも。

 中毒を起こした二つの商品の袋は、包装資材メーカー「東タイ」の子会社(中国江蘇省)が製造。天洋食品の工場で包装される際は、従業員が一枚ずつ目視検査をしていました。トレーも食品包装容器メーカー「中央化学」の子会社(北京市)が作っていましたが、出荷前にエアシャワーで異物除去作業をしていたといい、殺虫剤が混入する可能性は低いといいます。

 殺虫剤が袋の内部やギョーザの皮にどのようにして付着したのか、究明が急がれます。

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