2008年2月1日(金)「しんぶん赤旗」

米製造業

雇用喪失300万人

ブッシュ大統領の7年間


 【ワシントン=西村央】米国の製造業での雇用喪失がブッシュ政権の七年間で三百万人を超え、なお深刻な状態になっていることが米労働統計局の資料で明らかになりました。金融市場の混乱や景気低迷への懸念が高まっている米国では経済問題が十一月の大統領選挙でも重要争点として浮上しています。製造業での雇用喪失は、低賃金労働者の増大や消費の抑制にもつながっているだけに、大統領選に向けた論戦でもこうした点が問われることになります。


 二〇〇〇年から〇七年にかけて製造業での就業者は千七百二十万人から千三百九十万人へと三百三十万人減少。この七年間では19%の減少で、ほぼ五人に一人の職が無くなったことになります。

 もっとも減少幅が大きいのは自動車関連工場などが多いミシガン州で七年間で八十八万九千人から六十一万五千人へと二十七万四千人も減少。州内製造業就業者の30%がいなくなったことになります。

 雇用喪失が25%を超えているのは、同州に加え、サウスカロライナ、ノースカロライナ、ニューヨークの各州など計十州に及んでいます。

 二十九日に発表された国際通貨基金(IMF)の経済見通しでは、米国の経済成長率が〇七年の2・2%から〇八年は1・5%となるとしていますが、そこでも、サブプライム問題に関連した住宅分野だけではなく、製造業全体が減速していることを要因としてあげています。

 米国製造業は産業界のなかでも相対的に賃金が高く、医療給付などでも一定の水準を保ってきました。そこでの大規模な人員削減、リストラは、相対的に低賃金のサービス産業などへの労働者の移行、正規雇用からパートなど非正規雇用への流れを生み、医療保険もない不安定な層の増大にもつながっています。


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