2008年1月20日(日)「しんぶん赤旗」

医療事故

根底に医療費抑制策

民医連がシンポ 転換よびかけ


 全日本民主医療機関連合会(肥田泰会長)は十九日、東京都千代田区で、「医療事故を取り扱う第三者機関の設立をめざす1・19シンポジウム」を開き、医師四十四人を含む二百人余が参加しました。

 シンポは、医療関連死を検証する「第三者機関」の設置をめざす政府・与党の動きが急になっている中、その問題点を議論しました。

 全日本民医連の小西恭司・副会長が基調報告。厚生労働省が昨年十月に発表した「第二次試案」について、「第三者機関」の調査報告書が刑事手続きに活用できるなどの問題点を指摘。「医療事故の多くは個人ではなく、組織・システムに起因する事故。警察の捜査は個人の刑事責任の追及であり、事故の原因究明や再発防止に役立たない」と批判しました。

 また、全日本民医連加盟の病院などが「事故発生時、正確な事実調査をし、患者・家族への敏速で誠意ある説明、必要な補償を原則にしてきた」など患者との信頼確保を重視していることを紹介。「医療者と患者、国民が手を結び、医療事故多発の土壌である医療費抑制政策の転換を政府に迫りましょう」と訴えました。

 シンポでは、医師や医療被害者らが報告し議論。「医療従事者は、患者の信頼を回復する努力をもっとしないと、医療事故の調査に刑事責任の追及はなじまないといっても説得力がない」「警察や裁判に訴えず、市民組織が医療事故を解決する運動もある。国民側の自主的な取り組みももっと必要だ」などの意見も出されました。



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