2008年1月20日(日)「しんぶん赤旗」

大阪府知事選

府民とともに府政刷新めざす梅田さんか二つに割れた「オール与党」か

志位委員長の応援演説(要旨)


 十九日、大阪府知事選の梅田章二氏を応援するために、日本共産党の志位和夫委員長が大阪駅前で行った街頭演説(「明るい民主大阪府政をつくる会」主催)の要旨は以下の通りです。


 八百八十万府民の暮らしがかかった大事な知事選挙です。梅田章二さん勝利のために駆けつけました。(拍手)

 梅田さんは、庶民派弁護士二十五年。西淀川公害訴訟では、原告の自宅に泊まりこみ、ぜんそくで苦しむ姿を撮影して法廷で訴えました。また、憲法九条の値打ちを世界各国で訴え、「大阪から世界に平和を発信しよう」と訴えています。情も理もある大阪府政に求められる最高の人です。(拍手)

国政―「同質・同類」の「二大政党」

 参院選で国民が「自公政治ノー」の審判をつきつけてから半年。いまの国政には、二つの特徴があります。

 一つは、国民の声が政治を動かし始めたということです。

 二つ目は、「二大政党」の正体が見えたということです。

 自民党と民主党の「大連立」騒動があり、その動きはいま中断していますが、民主党の党首はいまでも「間違いではなかった」と無反省です。私は、「対決」といえども中身はない、「同質・同類」といってきましたが、それはこの間の動きでも裏付けられています。

 自衛隊の海外派兵問題では、与党が国民の反対を押し切って再派兵法をごり押ししましたが、福田首相は、派兵恒久法もつくると施政方針演説でいいました。恒久法を最初に言い出したのは、民主党の小沢一郎代表です。

 税金の問題では、昨年十二月に自民・民主両党が「税制改革大綱」を出しましたが、どちらも消費税増税の方向性ではいっしょです。

 国会が「ねじれ」ているといいますが、「ねじれ」ているのは「二大政党」と国民の利益です。

 平和でも暮らしでも、国民の願いをかなえようとすれば、アメリカと財界にではなく、国民に軸足をおいた政治への転換が求められています。その声を梅田さんの勝利でこの大阪から上げていこうではありませんか。(拍手)

府政―身も心も一体の「オール与党」との正面対決

 知事選の構図は、府政刷新を願う府民と日本共産党が共同で推薦する梅田さんと、二つに割れた「オール与党」の正面対決です。

 国政で自民党と民主党は「同質・同類」といいましたが、府政となると身も心も一体、融合してしまっています。共産党以外の「オール与党」体制となっています。

 それが今度の選挙では二つに割れましたが、政治の中身に違いはありません。自民、公明が応援する橋下徹氏は「(太田府政は)政策的には満点に近く、問題ない」といい、民主党が推す熊谷貞俊氏も「方向性は間違っていない」という。どっちが勝っても「オール与党」にかわる新しい政治をおこす力はありません。

 同時に、二つに割れたことは、「オール与党」の政治が、府民に顔向けできないほどゆきづまっていることの証明です。「政治とカネ」、福祉と暮らしの破壊、途方もない借金財政。梅田さんの勝利で「府民が主人公」への大転換をはかりましょう。(拍手)

大企業応援から府民の暮らし応援に――府政の大転換を

 大阪府政をどう変えるか。二つの大転換が求められています。

 第一は、大企業応援の府政から、府民の暮らしと中小企業応援の府政への転換です。自治体は「住民福祉の機関」なのに今の府政は、本業そっちのけ。異常な大企業応援にのめりこんでいます。

 とくに異常なのは、大企業誘致補助金制度。一社あたり限度額百五十億円は全国一位です。昨年十二月、府は堺市に進出するシャープに交付を決定。関連会社を含め三百三十億円もつぎ込みます。これは、府民一人あたり三千七百五十円、四人家族なら一万五千円にもなります。「雇用を増やす」といいますが、十億円の補助金をもらった三洋電機が増やした正社員はたった十一人です。大企業へのばらまきはやめさせようじゃありませんか。(拍手)

 その一方で、福祉と暮らしの施策は全国最低です。子どもの医療費助成は、東京では中学校卒業まで拡充されているのに、大阪では通院で二歳まで。府立高校の授業料は全国一高い。老人医療費助成制度をなくし、障害者・母子家庭・乳幼児医療費に自己負担を導入するなど、黒田革新府政でつくった福祉の独自施策をずたずたにしてきました。

 官公需の中小企業の受注割合は62・7%しかありません。全国平均の77・1%に引き上げれば中小業者に三百二十九億円の仕事が増えます。

 大企業応援の府政から府民応援の府政に大転換がどうしても必要です。

 「オール与党」の二人の候補にそれができるでしょうか。自公の候補は、マニフェストに「大企業のご要望をじっくりと聞くための場づくり」を書いています。民主党が推す候補は、後援会に関西財界の有力者がずらりと並ぶ、関西財界丸抱え候補です。

 関西財界の「要望」とは何でしょうか。「関経連意見書」には、「大企業の地方税をただにしろ」「社会保険料の企業負担をなくせ」「医療費の自己負担を五割にあげろ」「残業代をゼロにしろ」など横暴勝手な要求が並んでいます。財界の御用聞き候補、財界丸抱え候補では庶民の暮らしを守れません。(拍手)

 梅田さんは「7つの緊急200億円プラン」で、高すぎる国保料の軽減、介護保険料・利用料の減免制度の実現、生活保護世帯への一時金の復活、子どもの医療費助成の拡充、小中学校での三十五人学級、府立高校授業料の三万円値下げ、青年雇用奨励金制度の新設を掲げています。梅田知事を誕生させ、実現しましょう。(拍手)

「ムダ・不正ゼロ」は梅田さんで

 第二は、五兆円にのぼる借金財政をどうするかという問題です。梅田さんは「ムダ・不正ゼロ」と明快です。

 「ムダゼロ」―借金の最大の原因が、見通しのない巨大開発の無駄づかいにあることは明らかです。「りんくうタウン」で三千億円の赤字。箕面の自然を壊す「水と緑の健康都市」では七百五十億円の赤字。今後三年間で安威川(あいがわ)ダム建設など無駄な大型事業に千百億円をつかう計画もあります。

 先日の政策討論会で、梅田氏が、橋下氏と熊谷氏にダム開発などの「疑問を呈さざるをえない大型事業をどう思うのか」と詰め寄ると、「橋下氏と熊谷氏は珍しく口をそろえて『必要なものであれば推進する』と応戦した」という報道がありました。「ムダゼロ」の府政に転換できるのは梅田さんだけです。(拍手)

 「不正ゼロ」―最大の不正は同和行政です。大阪府は国が二〇〇二年度末で終結した同和事業を、名前を変えて継続し、百項目以上の事業に年間五十億円もの税金をいまだにつぎ込んでいます。

 民主候補は、部落解放同盟の推薦を受ける「解同」丸抱え候補です。自公候補のマニフェストにも同和行政の不正・ムダをただす方針は一言も書いていません。

 「解同」の利権あさり、不公正な同和行政にたいして、勇気をもって正面から立ち向かってきたのは、革新・民主勢力であり、政党では日本共産党だけです。「不正ゼロ」の府政に転換できるのも、梅田さんのほかにありません。(拍手)

大阪の底力発揮を

 「明るい会」には三十万人を超える府民のみなさんが結集しています。大阪の草の根の力は、全国屈指の底力をもっています。黒田府政誕生のスローガンは「大阪が変われば日本が変わる」でした。この意気込みで梅田知事誕生へ、支持の輪を広げに広げ抜いてください。(拍手)


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