2008年1月16日(水)「しんぶん赤旗」

世界平和に歴史的責任

中印首相 「21世紀の共同展望」に署名


 【北京=山田俊英】温家宝中国首相とシン・インド首相は十四日、北京で会談後、国際関係について両国の共通認識をまとめた「二十一世紀の共同展望」と題する文書に署名しました。同文書は、両国は「世界総人口の三分の二を超える世界最大の発展途上国」だとし、「共に経済・社会の全面的協調、持続可能な発展を確保し、アジアと世界の平和と発展を推進する重要な歴史的責任を担う」と強調しました。

 また、両国の友好と共同発展が国際体制の未来に積極的な影響を与えるとし、「中印関係は他のいかなる国も標的にせず、両国がそれぞれ他国と結ぶ友好関係を害さない」ことを確認しました。

 国際関係の規範としては、「平和五原則」を強調し、この原則の上に立つ国際体制が公平、平等、相互利益にかない、平和と共同の繁栄、貧困と差別の解消を促進するものだとしています。

 各国の社会体制について、「基本的人権と法治の基礎の上で各国の自主的な選択を尊重すべきである」と明言し、「イデオロギーや価値観、地理的な基準で区分する方法は平和と共存に無益である」と批判。「多様性を尊重する国際体制の建設」が「武力の使用、威嚇を減らすことにつながる」と提起しました。

 さらに、「国際関係の民主化と多極主義の推進が新世紀の目標だ」と述べるとともに、世界の地域統合の動きに支持を表明。「アジア地域一体化の過程を共同で推進する」と述べました。

 両国が取り組む地球規模の問題としては、公正な貿易秩序の確立、省エネルギー、環境保護、テロの根絶などをあげ、気候変動に両国が国際社会と共同の努力を強めることを誓約しました。文明の多様性の問題にも触れ、「文化と宗教が寛容であり、異なった文明と民族が対話することが世界全体の平和と安定を助ける」との見方を示しました。


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