2008年1月14日(月)「しんぶん赤旗」

主張

成人の日

若者が希望もてる未来へ


 新成人のみなさん、おめでとうございます。今年は全国で百三十五万人が、「成人の日」を迎えます。

 みなさんが、それぞれの夢にむかって前向きに挑戦されることを、日本共産党は心から応援します。

若者の声が社会を動かす

 若いみなさんの願いと声が、社会や政治を動かしはじめていることに、私たちは注目しています。

 「人間らしく働きたい」「まともに生活できる仕事を」―数年前まで、若者のひどい働かされ方や貧困について、「青年のやる気の問題」などとしてまともに向き合わなかった政府が、昨年、「ネットカフェ難民」の調査をおこないました。日本民主青年同盟や首都圏青年ユニオンのみなさんが、職場でモノ扱いされてきた若者と全国各地で対話し、闇のなかにあった「ネットカフェ難民」などの実態を調べ、告発し、社会の大問題にしてきたからです。

 「お金の心配なく学びたい」の声と運動を前に、東京大学では、年収四百万円未満の世帯の学生の授業料が、免除されることになりました。世界に例のない高学費を、長期にわたって押しつけてきた政府の政策に、風穴をあける画期的な成果です。

 「殺されたくないし、だれも殺したくない」―憲法九条を守りたいと願う若いみなさんの声は年々大きくなり、昨年は、しゃにむに改憲をすすめようとした安倍内閣を退陣においこみました。学生「九条の会」のみなさんが、「九条を守る世代になりたい」と自分の言葉で語り、それを聞いた学生が考え豊かに語りだす、そんな新しい運動が全国に広がっていることも、頼もしいかぎりです。

 戦争のない世界をもとめる願いは、いま、巨大な流れとなって、世界を覆いつつあります。東南アジア諸国から始まった東南アジア友好協力条約(TAC)という平和の共同体づくりが、地球の人口の57%にもなる二十四カ国、三十七億人へと広がっていることもその一つです。

 「自分たちが生きているこの地球を大切にしたい」―温暖化などから地球環境を守ることは、まったなしの人類共通の課題です。未来に生きる若いみなさんの不安と関心が高いのも当然です。

 世界の科学者たちは、「温暖化の原因は人間の経済活動」「今後二十年の努力が大切」と警告しました。国連事務総長は、「科学者は仕事をした。今度は政治家が役目を果たすべき」とのべました。ところが昨年インドネシア・バリ島でひらかれた国際会議で、日本とアメリカ政府は、経済界の意向を優先し、温暖化の原因となる二酸化炭素排出削減の数値目標を明記することに反対し、世界中から批判の的となりました。若いみなさんの「地球を守るために、自分もなにか」という思いが、地球環境を守る世界の多くの人々の努力に結びつく新しい年にしたいものです。

人間的・社会的連帯の力で

 雇用や学費でも、平和・憲法でも、地球環境でも、若いみなさんの願いこそ世界の流れと重なっており、それに背をむける自民党の政治は世界の流れから孤立しています。

 今年は総選挙が予想される年です。成人をむかえたみなさんがはじめて、国の主権者としての「一票」を行使することになります。若いみなさんの勇気ある選択で、青年の要求や願いに正面からこたえる政治をつくりだすまたとないチャンスです。

 日本共産党は、若いみなさんが力をあわせることに心からエールを送ります。希望のもてる未来をめざして、ともに力をつくします。


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