2008年1月12日(土)「しんぶん赤旗」

新テロ法 自公が再議決強行

「数の力」による

歴史的暴挙


 海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開する新テロ特措法案は十一日、参院本会議で否決されましたが、自民、公明両党が、衆院本会議での再議決を強行、三分の二以上の賛成で成立しました。参院で否決された法案が衆院で再議決されたのは五十七年ぶり二例目。日本共産党は議員団総会を開き、志位和夫委員長が「再議決は歴史的暴挙だ。ひとかけらの道理もない」と厳しく批判し、夕方には新宿駅前での街頭演説で、新たなたたかいをよびかけました。


 参院本会議での否決後に開かれた衆院本会議では、与党が憲法五九条の規定を利用し、同法案の再議決動議を提出。日本共産党から穀田恵二議員が反対討論を行い、アフガニスタンや国際情勢の変化、国民世論も無視して「再派兵、先にありき」ですすめてきたと批判しました。

 そして、参院の審議内容や意思を一顧だにせず、数の力で押し通すことは議会制民主主義を踏みにじる暴挙だと糾弾。法案は、憲法違反の米軍戦争支援法だと指摘し、いま日本がなすべきは、アフガニスタンの国内和平のプロセスを支援する外交努力と、米国に戦争中止を求めることだと力説しました。

 一方、参院本会議では、派兵恒久法の早期整備などを盛り込んだ民主党の「対案」も採決にふされ、民主党と統一会派を組む国民新党や無所属議員が賛成し、二票差で可決されました。日本共産党、社民党が反対し、自民、公明の与党も反対しました。

 ところが、自民党は、衆院本会議での再議決動議に対する討論で「民主党の対案には重要な検討課題も含まれている。今後、民主党とも緊密に協議し、自衛隊の海外派遣の恒久法の制定につなげていくべきだ」(小坂憲次衆院議員)などと述べました。

 与党側には、民主党案について衆院段階で廃案とはせず、継続審議とする動きがあります。


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