2008年1月5日(土)「しんぶん赤旗」

民間犠牲2万4千人

IBC07年調査 治安改善に程遠く

イラク


 【ワシントン=山崎伸治】イラク戦争開始後の民間人犠牲者数を調査しているイラク・ボディ・カウント(IBC)は二〇〇七年の犠牲者数が約二万四千人だったとの集計を発表しました。一日付でインターネットのウェブサイトで明らかにしたもの。「治安の改善」には程遠いと分析しています。

 それによると昨年の犠牲者数は最低で二万二千五百八十六人、最高で二万四千百五十九人です。最悪だった〇六年を下回ったものの、二万人を大きく超えました。死亡率は十万人あたり八十九人。〇六年は百一人でした。

 〇三年三月のイラク開戦以来の民間人犠牲者数はIBCの調査で最低で八万千百七十四人、最高で八万八千五百八十五人となりました。

 これとは別に、英調査機関ORBは昨年九月に、イラクの民間人の死者が百万人以上にのぼる可能性があるとの調査を明らかにしています。

 またIBCによると、米軍に殺害された民間人の数は〇六年の三百九十四―四百三十四人から〇七年は六百六十九―七百五十六人に急増しています。

 IBCは〇七年について、最悪だった〇六年ほど悪くはないと指摘。しかし「〇七年の『治安の改善』を歓迎するなら、治安が相変わらず極端に低い水準であることだけでなく、(殺された)約二万四千人のイラクの民間人とその家族、友人にとっては〇七年も破滅的な取り返しのつかない悲劇の年だったということをも見落とすことになる」と強調しています。



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