2008年1月5日(土)「しんぶん赤旗」

首相への不適切献金 1080万円に

国の工事受注企業 新たに60万円発覚


 国と契約関係にある企業からの献金が問題になった福田康夫首相が代表の「自民党群馬県第四選挙区支部」に、あらたに二社計六十万円の不適切な献金があったことが本紙の調べでわかりました。これで、公職選挙法が禁止する「選挙に関する寄付」に抵触するおそれのある献金は六社千八十万円になりました。(図参照)


 不適切な献金があらたにわかったのは、冬木工業(群馬県高崎市、資本金八千万円)と、山内工業(同県沼田市、資本金九千六百万円)。いずれも国土交通大臣認可の建設業者です。

総選挙の年に

 冬木工業は、総選挙のあった二〇〇三年、〇五年に、国交省関東地方整備局発注の「琴平橋補修工事」(三千七百五十万円)や、「高松環境護岸工事」(三千九百九十万円、共同企業体)を受注していました。同社は、総選挙のない〇四年、〇六年には、「第四選挙区支部」への献金がありません。その一方、〇三年総選挙の公示(十月二十八日)八日後の十一月五日に十万円、〇五年総選挙の公示(八月三十日)当日に三十万円、計四十万円の献金をしています。

 〇三年に関東地方整備局利根川水系砂防事務所の工事(二億三百万円)などを受注していた山内工業は、同年総選挙の公示二日後の十月三十日に二十万円を「第四選挙区支部」に献金していました。同社は、〇四―〇六年には、同支部に献金していません。

 これまで、「第四選挙区支部」への不適切な献金が明らかになっている藤田テクノ(群馬県高崎市、資本金五千万円)、日掃工業(同、資本金一千万円)、田畑建設(同県藤岡市、資本金四千三百万円)の三社も、総選挙のなかった〇四年、〇六年には、同支部への献金がありません。

 「第四選挙区支部」の会計責任者を務める藤田登氏が実質的オーナーである「藤田エンジニアリング」(群馬県高崎市、資本金約十億三千万円)も〇三年、〇五年の総選挙公示直前に各二百万円の献金をしているのに対し、選挙のなかった〇四年、〇六年の献金額は各五十万円でした。

 公職選挙法は、「特定の寄付の禁止」として、国や地方自治体と契約関係にある企業が国政選挙や地方選挙に関連して献金することを禁じています(一九九条一項)。また、政治家の側は、寄付を勧誘、要求したり(二〇〇条一項)、受けてはならない(同条二項)としています。

返金訂正なし

 本紙は、こうした献金について、福田事務所が「返金の手続きをとった」と表明したにもかかわらず、政治資金収支報告書に訂正の手続きがなされていないことを指摘。返金する考えはないのか、とただしましたが、福田事務所は「政党機関紙からのご質問には、一切お答えしておりません」としています。

図


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