2007年3月21日「しんぶん赤旗」中四国版

積算根拠ない「費用弁償」

実費支給か廃止を、ひろがる声

中四国9県


 徒歩通いの日額支給が九千円超──。議員には「費用弁償」と呼ばれる制度があります。日本共産党は各地で廃止や実費支給を要求しています。費用弁償をめぐる中四国九県の状況、党県議団の対応をまとめました。(前田泰孝)


 費用弁償は議会出席や出張など、公務の旅費に支給される公金の総称です。最も批判にさらされているのは、そのなかでも「招集旅費」「応召旅費」などと呼ばれ、議会出席に応じて日額が支給されるお金です。

 表から分かるように、岡山県の場合、たとえ自宅から徒歩で議会に通ったとしても、報酬や政調費とは別に一日一律九千百円支給されます。

 同県の一般職員が車で片道十四から十八キロメートル未満を通って、月の手当がようやく九千六百円。議員の日額九千百円が、破格の金額であることが分かります。

 しかも、このお金が交通費、日当、宿泊費…何の経費を想定したものなのか分かりません。同県議会事務局も「積算根拠はない」と言うように、そもそも条例に積算根拠が規定されていません。高額なのに支給する理由が分からない。このことが批判を呼ぶ原因になっているのです。

 中四国で積算理由が分かるのは鳥取県だけ。同県は二〇〇五年度、定額支給から、原則、交通費実費相当の支給に切り替えました。議会事務局も「〇四年度と比べて、約二千百万円分少なく済んだ」と語っています。

 いま「実費支給にするべき」「廃止を」といった世論と運動が高まってきています。

 岡山県では「市民オンブズマンおかやま」が費用弁償を公共交通機関の交通費実費に改める陳情を昨年の九月議会に提出し、継続審査になっていました。今月十六日の議会運営委員会で自、公、民主系が採択を保留し、事実上の廃案になりました。

 日本共産党は実費支給か廃止を主張。武田英夫県議団長は「(条例上、県に返却できないため)県議団は今後、法務局に供託する」と表明しました。

 愛媛県では、日本共産党の佐々木泉県議が〇五年四月から費用弁償を受け取っていません。今月七日の本会議で「私は議会に来るのにバス往復四百円で済む。一日八千三百円なら、二十往復もできてしまう」と述べ、議長には「廃止か、議員報酬を下げる条件で交通費実費支給にしよう」と提案しています。

 香川県では日本共産党の白川容子県議が〇三年四月の初当選以来、費用弁償を使っていません(条例上、県に返却できないため取り置きしている)。昨年末、廃止を議長に要請しています。

 広島県では日本共産党県委員会や辻恒雄県議が二月五日に新田篤実議長に実費支給に変えるよう申し入れを行っています。

 高知県は〇六年四月に三千円減額。その際、県議会会派「日本共産党と緑心会」は「高知市内はゼロ円に。ほかももっと減額するように」と求めています。

議会出席に応じて日額支給される費用弁償(円)(中四国9県)

※鳥取県 実費相当分は公共交通機関利用なら 実費、自家用車利用なら1キロごと16円。宿 泊費(13300円か14800円)加算の場合あり。

※島根県 実費相当分は公共交通機関利用なら 一般職の旅費規定に基づき支給。ただ鉄道は グリーン車、船は1等などの差がある。自家 用車利用なら1キロごと20円。

※広島県 広島市外なら上記の額に議長の定め で交通費を加算。06年度、日額トータルで一 番多い支給額は25692円。

※岡山から高知まで、金額に幅があるのは議会 棟と議員宅との間の距離に応じて段階的な差 をつけているから。

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