2007年12月24日(月)「しんぶん赤旗」

石油優遇供給が効果

ベネズエラと中米カリブ諸国

貧困克服へ首脳会談


 【メキシコ市=松島良尚】原油価格の高騰に苦しむ中米・カリブ海諸国に産油国ベネズエラが優遇条件で石油を供給し域内の経済、社会発展をめざすエネルギー協力機構「ペトロカリベ」の第四回首脳会議が二十一日、キューバ中部のシエンフエゴスで開かれました。採択された宣言は、「ペトロカリベはすでに現実のプロジェクトとなって効果を生んでおり、連帯と協力、統合の精神を示している」と強調しています。


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 ベネズエラのチャベス大統領は会議で、エネルギー資源の取得に有利な国と不利な国のアンバランスの問題を解決するためにペトロカリベが創設されたと指摘。「統合、統一、さらに解放への機構だ」「帝国主義や大資本の利益のためではなく、諸国民のための新しい石油地政学が強まりはじめている」と強調しました。

 また、石油代金の支払いは、ベネズエラがキューバなどと行っているように、生産物や人的サービスでも可能とし、加盟国間のバーター取引も呼びかけました。たとえば、市場価格の六割で供給し、決済をバーター取引で処理、残り40%を低利・長期のクレジットで提供します。

 宣言は、ペトロカリベについて「エネルギー安全保障の重要な道具」「資源の乏しい国々に対する特別措置と連帯の原則にもとづく発展途上国間の協力モデル」と規定しています。

 また、この枠組みで行われた医療、教育分野などにおける社会政策の前進を確認し、ペトロカリベの主な目的が貧困克服にあることを確認。ペトロカリベによって節約できた資金を引き続き社会投資にあてる必要性も指摘しています。

 ペトロカリベはチャベス大統領の提唱によって二〇〇五年六月に設立され、ベネズエラやキューバなどがめざす地域統合「米州ボリバル代替構想」の発展と並行して歩んでいると位置づけられています。今回の首脳会議で中米ホンジュラスの加盟が承認され、加盟国は十七カ国。ほとんどはカリブ海諸国です。


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