2007年12月17日(月)「しんぶん赤旗」

新憲法づくりで緊迫

右派地盤4県が「自治」宣言

ボリビア


 【メキシコ市=松島良尚】ボリビアのモラレス政権が進めようとする変革に反対する東部四県が十五日、大規模な市民集会を開き、独立色の濃い「自治」を宣言しました。大統領は「自治を口実にして国を分裂させようとしている」と非難。緊張が高まる中、国軍は警戒態勢をとりました。

 ロイター通信などによると、「自治」宣言は各県で主な政治家と反政府派市民団体のリーダーらが採択し、土地や資源の管理、独自の徴税権や警察組織、教育制度、メディアの監督などを定めています。今後、県の住民投票に付す予定といわれます。

 サンタクルスをはじめとする四県は天然ガス資源や大農園などが集中する右派と寡頭支配勢力の地盤。全国九県のうち四県で国内総生産の三分の二を占めます。西部に先住民が集中しているのに対し、住民の多数は白人系です。

 四県はもともと、新自由主義、寡頭支配との決別を掲げて新憲法を制定しようとするモラレス政権と真っ向から対立し、野党とともに制憲議会の開会を阻止してきました。しかし、同議会は九日、主要野党が出席を拒否するもと、先住民の権利拡充や「連帯的な混合経済」などをうたった新憲法草案を採択。四県の「自治」宣言はこれに反発したものです。

 モラレス大統領はこの間、対話を呼びかけてきましたが、野党や反政府派は応じていません。アルゼンチンやブラジルなど中南米九カ国の首脳は、民主的に選出された政府の安定性を損なうあらゆる策動に反対し、反政府派に対話を促す文書をすでに明らかにしています。欧州連合、米州機構も仲介に入る予定です。


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