2007年12月7日(金)「しんぶん赤旗」
ママ やったネ! 運動実る
子ども医療費無料 中学卒業まで
妊婦健診無料 5回から14回に
愛知・豊田
トヨタ自動車の企業城下町・愛知県豊田市(人口約四十一万九千人)でお母さんたちが引き継いできた運動が実り、子どもの医療費無料制度が中学校卒業までに拡大されます。妊婦健診への公費助成回数も五回から十四回に拡大されます。子どもの医療費無料制度と妊婦健診への助成が一挙にこれだけ拡大されるのは全国でも特筆すべき成果です。(川田博子)
「子どもの医療費中学校卒業まで無料」の実施は八月末、市の発表を受けて地元各紙が報じました。
家族がくつろぐ市内の鞍ケ池公園。小学二年の男の子と三歳の女の子のお母さん(32)は、「上の子が、けがとか骨折とか多いので、大歓迎です」と話します。一歳と三歳の姉妹のお母さんも「下の子がぜんそく気味なので、助かります」と話します。
請願
二〇〇六年十二月議会では、新婦人が提出した「妊婦健診費用と児童の医療費に補助を求める請願書」に、自民党が「国や県の動向を見てから市の方針を検討すべきだ」と反対。公明、民主の両党も反対し、請願は不採択になりました。
ところが今年四月の市議会選挙で、子どもの医療費無料化拡大や少人数学級を小・中の全学年まで拡大―を掲げた日本共産党の議席が一から二議席に倍加(定数四十七)。大村よしのり議員に根本みはる議員が加わった六月議会では自民、公明両党議員の態度が一転しました。
根本議員が県の助成拡大実施にともない「市の負担を現行より十億円増やせば、中学卒業まで無料化できる」と市議会で提案。すると自民、公明党議員も「中学校卒業までの医療費無料化が必要ではないか」と質問したのです。
妊婦健診助成拡大でも、大村議員が〇七年三月議会で、厚労省が各自治体に「公費負担についても、十四回程度行われることが望ましい」との通達を送付したことを指摘して、公費助成の拡大を迫り、市担当者の「引き続き各市の状況も見ながら、拡大の方向で検討させていただく」との答弁を引き出しました。
通達の存在に驚いた自民、公明の議員は、大村議員の後を追って六月議会で妊婦健診への助成拡大問題をとりあげ、質問しました。
署名
豊田市は全国一位の財政力ですが、子どもの医療費無料化拡大を求める運動は簡単ではありませんでした。市民が提出した請願署名の紹介議員を引き受けるのは、日本共産党の大村議員などわずか。議会に提出された請願は、保守系会派と公明党議員の反対多数で不採択とされ続けてきました。大村議員はくり返し質問でとりあげて、就学前までの無料化を実現。さらに今回の拡大につなげてきました。
同市で新婦人が乳幼児医療費助成制度の対象年齢引き上げの署名を始めたのは九二年ごろ。当時は助成は一歳未満まででした。Aさん(42)は、十八歳の娘、十六と十四歳の息子の母親です。「乾燥肌で、ちょっとした風邪で気管支に炎症を起こしがちだった」娘のために、署名を集め始めました。
「あきらめず議会へ署名を何回も提出してきました。三歳未満、就学前までと対象年齢が徐々に引き上げられ、今回は中学卒業まで。続けてよかった」と話します。
三歳の女児のお母さん(38)は「娘が生まれたときから無料で助かっています」と話します。「新婦人があったからこそ、『子どもの医療費を無料に』とお母さんたちが声をあげ続け、市に働きかけ続けることができたと思います」と言います。
十一月に出産したお母さん(32)は、新婦人以外のサークルのお母さんにも署名への協力をよびかけてきました。「二回だった妊婦健診の公費負担が十月から五回になり、早速、役にたちました」とほほ笑みます。
大村議員は、「市周辺地域と市街地をつなぐバスや小・中学校の少人数学級拡大なども実現してきました。市民の声をとりあげた道理ある提案は必ず実を結ぶと、とりくみを通じて確信しています」と話します。
請願に自公反対→選挙で共産倍加→自公態度一変
■子どもの医療費無料化■
1973年4月1日から 1歳未満の入院・通院を実施
1992年ごろ 新婦人が対象年齢拡大のため署名をはじめる
1993年4月1日から 3歳未満までの入院・1歳未満の通院を実施
1994年4月1日から 3歳未満までの入院・通院を実施
2000年12月議会 乳幼児医療費無料制度の継続と拡充を求める請願書不採択
2001年9月議会 就学前までの医療費無料化を求める請願書不採択
2002年6月議会 乳幼児医療費無料制度「国への意見書」の採択を求める請願書不採択
同上 乳幼児医療費助成を小学校就学前までに拡大する条例を可決
2002年10月1日から 就学前までの入院・通院を実施
2006年12月議会 新婦人が提出した「妊婦健診費用と児童の医療費に補助を求める請願書」不採択
2007年4月 日本共産党の議席が1から2に
2007年6月議会 日本共産党・根本議員が「市が10億円負担すれば中学校卒業まで無料化できる」と質問
同上 自民・公明党議員が「中学校卒業までの医療費無料化が必要ではないか」と質問
2007年7月 参院選で自民・公明政治に「ノー」の審判
2007年8月27日 市子ども部・福祉保健部が全議員に配布した子育て支援策の充実についての文書で「2008年4月から医療費助成対象を中学校卒業までの入院・通院に拡大(08年度当初予算)」を明示
■妊婦健診公費助成■
2006年12月議会 妊婦健診費用と児童の医療費に補助を求める請願書不採択
2007年1月16日 厚労省が都道府県、政令市、特別区担当者へ「公費負担についても、14回程度行われることが望ましい」とする通達を送付
2007年3月議会 日本共産党大村議員が厚労省通達をとりあげ妊婦健診拡充を求め、市が「拡大の方向で検討」と答弁
2007年4月 日本共産党の議席が1から2に
2007年6月議会 自民・公明党議員が妊婦健診拡充を求めて質問
2007年8月27日 市子ども部・福祉保健部が全議員に配布した子育て支援策の充実についての文書で、「妊婦健診への公費負担を2回から5回に拡充(07年度9月補正予算)、08年度は14回に拡充予定(08年度当初予算)」を明示
2007年10月1日から 妊婦健診助成2回から5回に

