2007年12月5日(水)「しんぶん赤旗」

ベネズエラ

“もっと成熟が必要”

大統領 社会主義、今後も探求


 【カラカス=松島良尚】ベネズエラのチャベス大統領は三日の国営テレビの電話インタビューで、自身が提案した憲法改正案が前日の国民投票で否決されたことについて、「われわれは何も失っていない。責任の追及はしない。おそらく公然と社会主義プロジェクトを開始するほどわれわれは成熟していないということだ」と述べました。

 同時に、「もっと成熟し、自分たちの社会主義を建設し続けなければならない」と語り、今後も社会主義へのプロセスを探求していく姿勢を明確にしました。

 また、国民投票の結果を分析、教訓化する重要性も強調。反対派が昨年の大統領選で得た四百三十万の野党候補票を維持したのに対し、賛成派は当時のチャベス票より三百万票減らしたと指摘しました。大統領は、国民投票の結果判明後にアルゼンチン、エクアドル、キューバ、ニカラグアの各首脳から激励の電話を受けたことを明らかにしました。

チャベス大統領の国民向け演説(要旨)

 ベネズエラのチャベス大統領が三日、国民投票の結果を受けて行った国民向け演説の要旨は以下の通りです。

 私の提案に賛成票を投じた人々、反対票を投じた人々に、私は感謝するし、彼らを称賛したい。

 政治的に成熟しよう。われわれは民主主義のなかで生きているという民主主義的な確信を持って今後の過程に向き合おう。ベネズエラ国民は全面的な自由、憲法が保障する自由を享受している。

 私は、今回の提案のコンマ一つたりとも撤回しないということを知ってほしい。この提案は生き続けるし、死んではいない。

 (投票結果で)前進が止められたわけではまったくない。投票者の49%が社会主義の建設に賛成したという事実は、巨大な政治的飛躍だ。私を信じる人は自信を持ってほしい。私にとっては、まったく敗北ではない。「さしあたりの」敗北だ。

 一九九九年の憲法が認めている施策の中で、政治的枠組みを築きながらたたかいを続けよう。

 私は常に国民の声を聞いてきたし、ベネズエラ・ボリバル共和国の建設を続けるために、これからもすべての国民の考えに常に耳を傾け続けるだろう。

 この革命の提案は強化され続けるだろう。困難な時期、厳しい時期にも問題に取り組むことができる。別の機会には明らかな敗北を道徳的な勝利へと転換させたことがあるし、その道徳的な勝利は、後に政治的勝利になったのだ。


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