2007年12月4日(火)「しんぶん赤旗」

沖縄戦集団自決 軍命は事実

検定意見撤回 今が勝負

体験者・執筆者ら訴え 東京で集会


 文部科学省が高校日本史の教科書検定で「集団自決」についての記述から軍の強制を書いた部分を削除させた問題で、「沖縄戦教科書検定意見撤回を求める全国集会」が三日、東京都千代田区の九段会館で開かれました。東京沖縄県人会と「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会」が主催しました。


 教科書会社六社が軍の強制を明記した訂正を申請、検定意見撤回を求める運動も大きく広がっています。こうした情勢を反映して集会には約千人が詰めかけました。

 東京沖縄県人会の川平朝清会長が主催者あいさつ。渡嘉敷島での「集団自決」(強制集団死)を生き延びた金城重明さんが、母や妹、弟に自ら手をかけた痛切な思いや、島民が軍の支配下に置かれ、「軍民共生共死」といわれていた当時の状況を証言し、「軍の命令が出たことは明白な事実」と語りました。

 「沖縄から平和教育をすすめる会」の高嶋伸欣琉球大教授は、文科省と何度も折衝してきたことを語り、「われわれが文科省を追い込んでいる」とのべました。

 日本史教科書執筆者の坂本昇さんは、検定で記述を変更させられた「忸怩(じくじ)たる思い」を語りつつ、九月二十九日の沖縄県民集会に自分も参加して沖縄の人たちの思いに感動したとのべました。高校生にできるだけいい教科書をと考えて、「軍の強制を明記した訂正申請をした」と語り、訂正が認められるか、この一週間の運動が勝負になっていると訴えました。

 集会は検定意見の撤回、沖縄戦の真実を正しく伝える記述の回復などを求めるアピールを採択。「団結頑張ろう」で決意を固め合いました。日本共産党から笠井亮衆院議員が出席しました。

 集会に先立ち「首都圏の会」などが有楽町マリオン前で宣伝行動をしました。



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