2007年12月3日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

「何もできない人間」と悩んできた私…

今、ユニオン委員長

民青同盟全国大会 ある班長さんの胸の内


 「悩んでいる人の力になりたい。一人じゃない、仲間がいるよって、たくさんの人に伝えたい。そんな思いで、みんながんばっているのがわかった」。岩手県の岩城美砂さん(32)=仮名=は、日本民主青年同盟の第33回全国大会に参加して、「すごくよかった」といいます。「私を大きく成長させてくれた民青同盟を、もっと大きくしたい」と、新たな活動を決意しています。菅野尚夫


 11月23日から3日間、全国大会では、さまざまな苦労や悩みを抱えながらもたたかいの輪をひろげている発言が相次ぎました。

 岩城さんも、人前で話すのは苦手でしたが、「チョーきんちょう」しながら、発言しました。

突然の「行きたい」

 班長を5年間続けてきた岩城さん。発言では、その苦労話を率直に切り出しました。

 「班会議を毎週開いてきましたが自分としては、ちっとも楽しくなかったんです。義務感でやっていました。せっかくできた班。つぶしたくなかったから。班長になった責任感で、班会議をやってました」

 そんな岩城さんの発言について、民青同盟岩手県委員長の佐々木圭史さん(30)は、こう補足します。

 「仲間の思いを引き出していたのが彼女でした。『班会に来るのが楽しい』と他の班員は言っているんです。彼女は、自分から意見をいうタイプじゃないのですが、相手の話をよく聞いていました。そんな彼女が仲間を迎えるまでに成長したんです」

 岩城さんに変化があったのは昨年のことでした。「支え役に徹していた彼女が突然、原水爆禁止世界大会に『行きたい』と言いだしたんです」と、佐々木さん。

 岩城さんがヒロシマに行こうと思ったきっかけは、地域に9条の会ができたことからでした。「平和の尊さについてあまり勉強していなかったから、もっと学習したい」と思ったのです。

 このころから、岩城さんは少しずつ能動的になったといいます。「班会が楽しくないのも、人がいないからだと決め付けて、自分から楽しもう、どうやって魅力ある班にするか、考えようともしなかった」と、当時を振り返ります。

 全国大会では、「同じように悩みながらも、がんばっている仲間がたくさんいて、励まされた。壁は自分の中にあるんだと気づけば、がんばれることをみんなに伝えたかった」といいます。

 岩城さんがもう一つ、成長するきっかけになったのは、今年五月の全国青年大集会に参加したことです。

 まわりにいる青年は派遣やアルバイトなど非正規で働く労働者たちばかり。商業高校を卒業し7つの資格をもっていても、十数社の面接で「即戦力でないとうちはいらない」といわれ正社員の仕事がない登録派遣の男性。ダブルワークで17時間も働く男性。

私にも何かできる

 若者の深刻な実態をなんとかしたいと思って青年大集会に参加した岩城さん。「たたかって生きているみんなの発言に刺激を受けた」といいます。「岩手でも仕事で悩んでいる仲間とともに何かできるのではないか」と思いました。

 労働組合づくりに動きました。まわりの青年に呼びかけて労働基準法や労働者派遣法などの学習会を繰り返し、7月には困っている若者たちが手をつなげる青年ユニオンの結成に奮闘しました。

 「義務感でなくて自分の要求で委員長を引き受けました」と岩城さん。「何もできない駄目な人間と劣等感に悩んできました。でも、私にも何かできることがあるんじゃないかと挑戦しています。青年の苦しみは政治にあると学習することで分かったんです」といいます。

 衣料品の販売員をしている岩城さんは、月収9万円です。時給680円。「全国一律1000円以上の最低賃金という要求は当然です。岩手県は最低賃金が619円。全国で最も安い沖縄県より1円高いだけです」

 岩城さんたちの呼びかけに応えて青年ユニオンの結成に加わった組合員の一人(20)は、自治体の現業部門で働く非常勤職員です。

 週30時間労働で、月収9万8000円。「これでは生活ができない」と金、土、日曜日は午後6時から翌朝8時までコンビニでアルバイトをしています。「昼夜逆転の生活で体調がおかしくなります。非常勤の職場は『臭い、汚い、きつい』の3K職場です。好きな仕事ですがボーナスもなく、正職員と同じ仕事をしているのに差別賃金。正職員にしてほしい」といいます。

 ユニオンの委員長を引き受けて、「自己肯定感がもてたらいいなあ」という岩城さん。

 「民青同盟は、私の人生をガラリと変えてくれました。信頼できる人と出会わせてくれました。私にとってかけがえのないものです」

 新しい挑戦が始まっています。


お悩みHunter

私を飲みに誘う友人 お会計で「お金ない」

  中学のときから仲のよい友人が「飲みに行こう」「お茶しよう」などと私をよく誘うのですが、会計になると「今日、お金持ってない。次に払う」と言い出します。確かに彼女がおごってくれるときもあるのですが、私の方が多く払っているし、私はお金の貸し借りが嫌です。「お金がないときは誘わないで」とは言いにくいのですが…。(26歳、女性、埼玉県)

友人を信じて話してみては

  「親しい仲にも礼儀あり」です。あなたのご友人は、あなたがそれほどまで悩んでいるとは気付いていないのでしょう。「お金があるときは、おごっているのだから、ないときはおごってもらってもいいんだ」と思い、おごっている回数などはどっちが多いかなど、あまり気にしていないのかもしれませんね。

 そんなに悪気があるようにも思えないから、あなたはなおさら悩んでいるのでしょう。お金がないときでも飲みに行きたいときがありますよね。お金がないときほど飲みに行きたくなるものですよね。

 そんなときは、安い缶ビールでも買って、どちらかの自宅、もしくは、近くの公園などで夜空を見上げながら、飲んで語り合ってはどうでしょう。そして、はっきりあなたの気持ちを相手に話してはどうですか。ご友人はあなたに少し甘えていたことを気付くでしょう。

 それで友人関係が壊れるのならば、それだけの関係だったのです。あなたが本心を打ち明けて二人の関係がより深くなることが期待されますよ。

 あなたの思いを相手に伝えるときは感情的ではなく、冷静に落ち着いて話してみてください。そうすれば、相手も冷静な判断ができますから。友人を信じて、自分を信じて話してみてください。


舞台女優 有馬 理恵さん

 「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。


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