2007年12月3日(月)「しんぶん赤旗」

イラク情勢

取材は命懸け

「首都の半分以上 危険」 87%
「現地要員の殺害・誘拐」 58%

報道関係者に調査


 米国の民間調査機関、ピュー・リサーチ・センターは十一月二十八日、過去二年間のイラク情勢と報道の現状に対する現地ジャーナリストらの評価をまとめた調査結果を発表しました。大多数の回答者が、イラクの状況は戦争継続とともに一般米国市民が想像する以上に悪化し、取材条件にも影響していると述べています。そのため、米軍や武装抵抗勢力の動向に比べて、イラク一般庶民の暮らしぶりを伝えることが弱くなっていると答えています。

 調査は同センター内の「優れたジャーナリズムのためのプロジェクト」部門が九月二十八日から十一月七日まで実施。新聞・雑誌、テレビ・ラジオ、通信社など二十九社(一社を除き米社)の百十一人のジャーナリストから回答を得ました。

 回答したジャーナリストの多くが戦争報道のベテランですが、イラクのように危険な状況は経験したことがないと指摘。87%が「首都バグダッドでさえ、半分以上の地域の取材は危険だ」と回答しています。同国の大部分が同様に危険で、回答者の七割強が、出かける際は武装した警備員などを同行させることが決まりだと答えました。

 駐留米軍司令部や米大使館、イラク国家機関が集中し、厳重な警戒態勢が敷かれているバグダッド中心部の「グリーンゾーン」の外での対面取材は、イラク人スタッフに頼らざるを得ません。

 そのイラク人スタッフが過去一年間に殺害または誘拐されたことがあるかとの問いに、58%の社が「イエス」と回答。現地スタッフが「一カ月に数回以上」脅迫されていると答えた社は62%に上っています。ジャーナリストの87%が、イラク人スタッフは西側メディアで働いていることを隠さざるを得ないと述べています。

 調査期間中の十月は駐留米兵の死者が今年最少の月間記録となり、バグダッドをはじめ武装抵抗勢力の攻撃が減少したとして、「増派戦略」が功を奏しはじめたとブッシュ政権が自賛していた時期です。

 しかし回答したジャーナリストの十人に八人は「報道の条件は良くなるどころか、時とともに悪くなっている」と指摘。回答者の一人は「危険について誇張しすぎることはない」と書いてきました。(居波保夫)



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