2007年12月1日(土)「しんぶん赤旗」

認証保育所で不正疑惑

園長不在、保育士水増し

共産党都議団が調査

東京都に是正求める


 東京都が営利企業を参入させて進めている認証保育所で、職員の架空申請など数々の疑惑の実態が三十日、日本共産党東京都議団の調査で明らかになりました。


 不正な実態が明らかになったのは、株式会社「日本保育支援協会」が昨年六月に開設した認証保育所「じゃんぐる保育園」(東京都荒川区)。認証保育所は石原慎太郎知事の主導で、国の保育所設置基準より低い基準で設置を認め、営利企業が参入するものとなっています。

 党都議団の調べによると、同園では、都の事業実施要綱でも必ず設置するよう定めている園長について、開設以来、事実上、長期にわたって不在になっていることが分かりました。

 同園が昨年四月に都に提出した設置申請書類で、職員の架空申請を行っていた疑惑も浮上。書類では、施設長を含め保育士七人の正規職員の氏名が記載されていますが、開設された同年六月から八月中旬まで、保育士は二人しかおらず、九月に入っても保育士は七人を満たさない状態でした。

 さらに、同園では、厚生労働省が若年者の常用雇用への就業支援として、事業者に補助を行っている「トライアル雇用」を利用し、申請に必要な求職者本人の署名・なつ印がないまま、申請が行われていました。

 これらの無責任な運営のもとで、保育士が不足し、子どもたちが外に遊びに行けない、年齢別の保育室もなく、施設は雑居ビルの二階にあり、階段も急傾斜で子どもが転落する事故が起きる、一階は火を常時使う居酒屋で、火災の危険がある―などの実態におかれています。

 党都議団の吉田信夫幹事長らは同日、「政府と都が保育への営利企業参入を進めた結果、こうした利益第一の運営が行われてきた」として、都として調査と是正措置を取るよう、石原知事あてに申し入れました。

是正させていく

石原知事

 石原知事は同日の記者会見で、「規格の中で間違った点があれば、立ち入りもして是正させていく」とのべました。


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