2007年11月28日(水)「しんぶん赤旗」

アフガン

空爆、イラクの4倍

英人道援助団体 増す民間人犠牲


 【ロンドン=岡崎衆史】人道援助団体「オックスファム英国」はこのほど、英下院国際開発委員会にアフガニスタン情勢についての報告書を提出し、アフガンでの米軍などによる空爆はイラクよりはるかにひどいと指摘し、大規模な軍事力使用による民間人犠牲者増大を批判しました。

 報告書は、今年のアフガン民間人死者がすでに千二百人に上るとし、そのうち、約半数が米軍や北大西洋条約機構(NATO)軍など国際部隊の攻撃によるものだと述べています。特に多数の犠牲者をだしている作戦として空爆を挙げ、「国際部隊によるアフガンでの空爆回数はイラクでの回数の四倍に当たる」と警告しました。

 また、国際部隊による反政府武装勢力タリバンの「掃討」作戦についても、家屋の破壊や容疑者の不適切な取り扱いを招いていると批判し、民間人犠牲者を減らすためにあらゆる努力をするよう求めました。

 米軍によるアフガンとパキスタン国境地帯での武装勢力への攻撃や、イランへの軍事攻撃が引き起こす潜在的可能性についても触れ、「アフガンを深刻に不安定化する」と警鐘を鳴らしました。

 さらに、「数百万のアフガン人はとりわけ地方で、(世界で最も貧しい)サハラ以南のアフリカと同等の厳しい貧困に直面している」とし、国際社会による復興支援活動の機能不全に懸念を示しました。

 報告書は特に、米国際開発庁を通じたアフガン援助について、半分近くが米国の五つの大規模請負業者にわたっていると指摘。「イラク同様あまりにも多くの援助が企業や請負業者の利益として吸い上げられている」と批判しました。

 また、「開発支援は軍事作戦の費用のごく一部だ」とし、軍事費に対して、民生支援費用があまりにも少ないと指摘しました。


 オックスファム 国際的な人道援助団体。第二次大戦中の一九四二年、ギリシャで起きた飢饉(ききん)を救済するために英国のオックスフォードで設立された救済委員会が発展して、六五年に現在の名称に。世界の貧困、不公正の克服を目指しています。九五年に国際組織オックスファム・インターナショナルを結成。現在、英国はじめ十三組織の連合体として活動しています。


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