2007年11月28日(水)「しんぶん赤旗」

「対米追随から脱却」へ

「京都議定書を批准」/イラク段階的撤兵

豪次期首相


 オーストラリア総選挙で十一年半ぶりの政権交代を決め、次期首相就任が有力な労働党のラッド党首は、地球温暖化防止のための京都議定書批准やイラクからの豪州軍撤退など、「対米追随外交からの脱却」の公約実行に踏み出す構えです。


 ラッド氏は二十五日の会見で、二十四日夜に電話会談したインドネシアのユドヨノ大統領の招待を受け、十二月三日からバリ島で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)への出席を表明。先進国に温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書を早期に批准するとユドヨノ大統領に伝えたことを明らかにしました。

 京都議定書をめぐっては、総選挙で敗北した保守連立政権(自由党、国民党)のハワード首相は、米ブッシュ政権が脱退を決めたことに追随して調印・批准を拒否していました。

 国民一人当たりの二酸化炭素(CO)排出量が世界一とされるオーストラリアが京都議定書を批准すれば、温室効果ガス削減に向けてポスト京都議定書(二〇一三年以降)の具体的な国際的交渉の行方に大きな影響を及ぼすとみられています。

 オーストラリアでは条約批准に議会の承認はいらないため、新政権発足後直ちに京都議定書の批准作業に取りかかり、来年中の手続き完了を目指すとしています。

 駐留イラク部隊の問題でラッド氏は、約千五百人の段階的撤退を主張し、まず戦闘部隊約五百五十人の撤退を公約しています。

 ラッド氏は二十五日の記者会見でブッシュ米大統領からの電話に対し「米国との同盟関係が外交の中心」と伝えるとともに、来年早期の訪米でも合意したことを明らかにしました。訪米時の会談ではイラク駐留豪州軍の来年半ばまでの部分撤退を打診すると見られています。

 次期首相は二十九日の議員総会後に閣僚名簿を発表し、三十日にも新政権を発足させる意向です。新議会招集は来年二月初めになる見通しです。


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