2007年11月23日(金)「しんぶん赤旗」

競争入札前に詳細問答

防衛庁と秋山直紀氏の協会

大門議員追及


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(写真)追及する大門実紀史議員=22日、参院財政金融委

 防衛省をめぐる軍事利権問題で、社団法人「日米平和・文化交流協会」(秋山直紀常勤理事)が防衛庁(当時)発注の遺棄化学兵器処理関連事業を受注した際、同庁が競争入札の前年から同交流協会に対し、「処理に関する知見があるか」などの詳細な問い合わせをしていたことがわかりました。日本共産党の大門実紀史議員が二十二日の参院財政金融委員会で明らかにしました。大門氏はこれが同協会の定款外の事業だったことも指摘。防衛省との癒着の深さが浮き彫りになりました。

 同協会と秋山氏は、日米政府関係者と日米軍需産業の癒着の中心にいると指摘されています。

 同協会(当時・日米文化振興会)が受注したのは、福岡県苅田町の海底で見つかった旧日本軍の毒ガス弾について、処理方法を調査する業務。同協会は二〇〇三年二月、九百八万円で防衛庁と契約を交わしています。

 大門氏は、この前年に防衛庁が秋山氏に四回にわたって▽化学弾処理に知見を有する先生がいるか▽処理に関する調査・研究を実施する際の体制について―などを細かく問い合わせたファクスを提示。「随意契約ならまだしも、競争入札の前に『おたくで仕事を受注できるか』と再三にわたって聞いている」と指摘しました。

 また、同協会のほかに入札に参加したのは印刷会社一社だったことを示し、「この会社に化学兵器処理の能力があるとは思えない。競争入札という形式を整えるためだけの当て馬だったのでは」とただしました。

 防衛省側は「複数の関係機関から一般的に情報収集をすることはある。同協会だけではない」と釈明。大門氏は「一般的な情報どころではない。秋山氏からの回答を見ると、相当生々しく事業の詳細を検討している」と指摘しました。

 大門氏は、同協会が〇二―〇四年、国交省発注の別の化学兵器処理の調査業務を、随意契約で受注(計五千八百万円)していることを紹介。国交省の回答から、この事業で秋山氏を同省に紹介した米軍のステファン・リーブス陸軍准将(当時)に、秋山氏側から「調査委託費」などの名目で資金が渡っていることも指摘しました。

 大門氏は「日米にわたる巨大な防衛利権の構造がある。ゴルフ接待どころではない。その中に額賀福志郎財務相や秋山氏の名が出てくる」と述べ、額賀氏、守屋武昌前事務次官に加え、秋山氏の証人喚問を要求しました。


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