2007年11月21日(水)「しんぶん赤旗」

額賀氏が「口利き」

他にも政治家ら13人

元防衛施設局長が証言


 額賀福志郎財務相(元防衛庁長官)が、一九九九年と二〇〇〇年、仙台防衛施設局発注の建設工事の入札にからんで口利きをしていた疑いがあることが、太田述正元仙台防衛施設局長(58)の証言で二十日、分かりました。太田元局長は昨年、本紙に匿名で防衛族議員の口利きの実態を語っていましたが、実名での告発は初めてです。元局長は、額賀氏以外にも多数の政治家が口利きをおこなっていた疑いがあることも証言。軍事利権の甘い蜜(みつ)にむらがる政治家の実態がさらに明確になってきました。(軍事利権取材班)


 太田元局長は、口利きの経緯を記録した当時の日記を示し、「額賀氏側から特定業者を入札で指名するよう圧力があった」と語りました。

 元局長によると、額賀氏からの口利きがあったのは、九九年四月二十三日と二〇〇〇年三月二日の二回。山形県内の建設業者を施設局発注工事の入札で指名するよう要請をうけたと部下から報告を受けました。

 二〇〇〇年三月二日は、額賀氏側から「対応が遅い」というクレームがありました。当時、防衛庁官房長だった守屋武昌前防衛事務次官(63)を通じて同局に連絡があったといいます。

 日記の該当個所には「額賀官房副長官から官房長(守屋氏)に、山形の××(業者名)の口添えをしているのに、動きが悪いとのクレームが入ったと建設部長が言ってきた」と記されています。同年三月十四日付には、業者が額賀氏秘書から指示され、元局長にあいさつにきた際のやりとりも記録されています。

 さらに元局長は在職中、部下に命じて、政治家らからの口利きを記録した「斡旋(あっせん)利得議員等リスト」を作成させ、保管。リストには額賀氏ら防衛庁長官経験者四人を含む計十四人の議員らの氏名が記されているといいます。元局長は、「このうち三人からは自分に直接の働きかけがあった」と証言しています。

 守屋氏は今月十五日の参院での証人喚問で、「建設関係で、(政治家から)防衛省の仕事をやりたいから、この会社を防衛省に登録するためにはどうしたらいいかとか、相談をうけて担当先を紹介した記憶はある」などと証言していました。

 元局長は守屋氏の証言を聞き、「自分も証言しなければいけないという、守屋からのメッセージと受け取った」と公表の動機を語りました。

 額賀財務相は、二十日朝の会見で、口利きについて「完全にわたしはしていません」などと語っていますが、建設会社社長と面識があることは認めています。


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