2007年11月9日(金)「しんぶん赤旗」

心の葛藤で不整脈

「君が代」「日の丸」強制 2次訴訟原告訴え


 「日の丸」「君が代」の強制に従わなかったとして処分された東京都立学校の教職員が、処分の撤回などを求めた東京「君が代」裁判(二次訴訟・原告六十七人)の第一回口頭弁論が八日、東京地裁で行われ、原告の二人が意見陳述しました。

 三十七年間、高校理科教員をしていた泉健二さん(61)は、「『一斉』に『国歌』をうたわせることは『個人の尊厳』をいい、『個性をのばす』という『教育の本質』にそぐわない」と訴えました。

 また、校長の「職務命令」で、自分も生徒も望んでいない、国歌斉唱を指導しなければならなくなった、苦しい胸の内を語りました。

 「自らの『思い』と『行為』との矛盾、矛盾を冒さなければならないのかという心の『葛藤(かっとう)』は思いもよらない結果を私の身体に与えました」とのべ、半年間ストレスによる不整脈が続いたと話しました。

 「日の丸」、「君が代」を強制する「10・23」通達に直面したさい、「ナチス・ドイツが強制収容所で用いた管理手法」を思い出したという、高校社会科教員の吉野典子さん(51)。

 通達後の職員会議では行政の意向を気にするあまり、「(校長は)教職員の意見に対して、ご自身の考えを述べようとはなさいません。意見がどう生かされたのか、どのような理由で退けられたのか、公の場で語られることはなく」なり、「それぞれの教育観・生徒観に基づいて熱心な議論を重ね貴重な学習の機会でもあった職員会議は、むなしい壁打ちの場に変わった」と証言しました。



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