2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」

底流 ほん流

実効ある均等法へ展望示せ


 今年四月施行された改正均等法(男女雇用機会均等法)を実効あるものにし、雇用の男女差別を是正する力にしていくことが大切になっています。十月三十日には、改正均等法にもとづいて、今後五年間の国の施策の基本方向を示す「男女雇用機会均等対策基本方針」が、厚労省の労働政策審議会雇用均等分科会で審議、答申されました。期間は二〇一一年度までです。

改善の動き鈍化

 基本方針は、現状について、「二十年間に亘(わた)る法施行を経てもなお実質的な機会均等が確保されたとは言いがたい」「改善の動きには鈍化がみられる」と、きびしい指摘をおこないました。

 縮小しない賃金の男女格差、非正規雇用の増加、女性管理職比率の低さ、各職種で男女とも採用する企業の減少などの実態をうけたものです。九月に公表された内閣府の世論調査でも、職場が平等だという女性は18・9%にすぎません。

 今回の均等法改正で、妊娠・出産による不利益取扱い禁止、間接差別の一部禁止などが盛り込まれました。この前進面の徹底、順守とともに、指摘されている遅れを打開する施策が必要です。

 基本方針は、今後の方向として「実質上の機会均等の確保」をかかげ、法の履行確保と、女性が働き続けられる条件整備、「仕事と生活の調和」などを強調。しかし列挙された施策からは、改善の展望はみえてきません。

 一つは、「社会的機運の醸成」など拘束力のないキャンペーン中心で、コース別雇用管理や賃金格差の研究も盛り込んだものの、あくまで企業努力にゆだねるものとなっていることです。

 また直接女性を理由にしない間接差別に関し、禁止対象の追加・見直し検討をあげましたが、“判例などの動向をみて”という受身の姿勢であることです。そもそも対象の拡大は改正論議で大きな焦点となり、国会審議や付帯決議で指摘されたことです。早急に見直しをするべきです。

 さらに、「厳正な行政指導」を強調しますが、その保障が弱いことです。均等法には企業名公表などの軽い制裁措置しかなく、これさえ一度も実施されていないのが実態です。き然とした指導の徹底、雇用均等室の体制の抜本的強化が図られなければなりません。

 これまでの審議では、「どこまで効果ある施策なのか」「むしろ結果を問う、実効、成果を問う必要がある」など、いらだちを隠せない発言もありました。

「解決」というが

 改善の方向がみえない背景に、均等法に残された問題点があります。

 ヨーロッパなどの差別禁止法は、企業に差別是正命令が出せる権限をもった機関や罰則が整備され、差別でないと証明する責任は企業側に課せられます。一方均等法は、罰則や差別救済の仕組みがきわめて不十分で、今回もほとんど改善されませんでした。しかし基本方針は「法制上の課題についてはほぼ解決」として、実効性の問題を直視しようとしません。雇用の平等へ、実効ある均等法を求める女性と国民の切実な声にどうこたえるのか、政府・厚労省の姿勢が問われます。

外国の努力学べ

 この秋、内閣府が男女平等のすすんだニュージーランド、スウェーデンとの国際シンポを開催しました。両国の共通点は、政府が民主社会の当然の原則として男女平等の目標をかかげ、公的部門で率先して平等をすすめていること、強制力ある法整備をおこない、企業の到達の情報公開、チェック体制を確立し、改善を迫っていることでした。こうした諸外国の努力に真剣に学ぶことが、いま日本政府に求められます。


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